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トニー@GM:【OP】 K市内霊地にある寺社内。 「………さて、ある程度集まったようなのでまず自己紹介から始めよう」トニー@GM:「某は大岡忠相と申す者。此度の聖杯戦争においてルーラーの役目を承った」 「この身はこの土地の管理者である豊川 典善(トヨカワ テンゼン)殿からお借受けして現界しておる次第」トニー@GM:「すでに終わった話ゆえあまり詳しくは話さぬが、此度の聖杯戦争の発端は、このK市にて擬似的な聖杯戦争をとして戦火を起こし、それによって死した者の命を生贄に捧げることで願いを叶えようとする不埒者によるものだ」 「しかしその企ては典善殿とその臣下たちによってすでに打ち砕かれ、下手人ももうこの世にはおらぬ」トニー@GM:「が、その不埒者共は死の直前、苦し紛れに儀式を強行しおった」トニー@GM:「幸い土地の民には被害はなかったが、通常の聖杯戦争として機能してしまった」 「そして中止させることも叶わずお主らのように契約を果たし、参加者が出てしまった。それも7組、すべてだ」トニー@GM:「某や典善殿の臣下たちがお主らすべてを討ち果たせれば何も問題はないのだが、彼らは不埒者の誅伐で傷つき戦える状態ではなく、某は見ての通りの老骨ゆえそれも叶わぬ」 「であれば、お主らには通常通り、密かに速やかに聖杯戦争を行い終えてもらうのが一番だ」トニー@GM:「土地の民に被害を出さず、早々に決着をつけるがいい」 「そうすれば某も邪魔はせぬ」トニー@GM:「ゆめゆめ忘れることなかれ。話は以上だ、各々願いのために戦われよ」トニー@GM:【オープニング】 私は、魔術師の家に生まれて、魔法は少しだけ使える。 使えるけどそんなに才能はないらしい。 兄さまや姉さまはバンバン使えるのに。あーあ。つまんない。 でも、そんな私でも活かせる生き方があったの。トニー@GM:それが、正義の味方。 かっこいいし、世の為人の為になるいい事だ。トニー@GM:それに先生が言ってたんだ。 「君の願いは、必ず世界の、人の為になる」って。 だから私は、皆が笑って暮らせる世の中を作りたい!トニー@GM: ――あの日、有栖が歩くその後ろには、まるでこの世の終わりを告げるかのような、気が狂うような何が歩いていた。 ……ああ、畜生。まるで意味のわからない歌まで聞こえてくる。あの子は…妹は一体…!?--トニー@GM: ねえ?今、君は笑ってる?RE=IN@定晴:【OP】 両親の愛に疑問を持ったのは、いつの頃だろうか。 少なくとも、小学生の頃には「周りと違う」と気付いていたと思う。 遊園地に連れて行ってもらった、一緒にキャンプをした、誕生日を祝ってもらった……同級生たちの何気ない話に、俺はついていけなかった。 遊園地はどんな所なんだろう、キャンプって楽しいのかな、誕生日ってプレゼントをもらえる日なんだ。一つ知るたびに、俺は……いや、俺の家が周りと違うことを自覚していった。 実家と他所の「家族」の温度差に気付いてからというものの、両親に対する「愛してほしい」という気持ちは日に日に膨れ上がっていった。そして同時に、両親が俺を“後継者”として見ていない事への確信もまた高まっていった。 だが、それでいい。 俺は覚えている。後継者として一つ術を覚える度に、普段は必要なことしか話さない両親が一度だけ言ってくれる「よくやった」という声を。 その一言が、何よりも嬉しかった。 両親にとっては意味のない一言だとしても、俺にはそれが何よりも尊い親子の繋がりに思えたんだ。 だから……父さん、母さん。 俺は聖杯を取る。そして、聖杯を手にした暁には——— 「よくやった」と、言ってくれ。RE=IN@定晴:〆???@ゼロサキ:OP???@ゼロサキ:そこはきっと地獄と表現するに適した場所だろう。 床には大量の死体が散らばっている。どの死体にも顔には絶望が張り付いている。 ぱっと見るだけで死因の判断は難しいが、半数以上が干乾びて死んでいる。 そんな部屋の中心で男が一人、椅子に座り苦しんでいた。 ???「があああああああああああああああああああああああああああああ!」 それはまるで、体中を裂かれるような、悪夢のような声だった。そんな部屋に別の男が入ってくる。 ???2「おやおや?酷い声だ。まぁ、その体ならしょうがないのでしょうが。」 ???「ハ・・・ザマぁ・・・この塵が・・・何故貴様風情がこの俺を見下している・・・そんなに死にたいかぁ!」 ハザマ「いえいえそんなぁ!私はあなたを尊敬していますよ?そんな体でなお、根性で生きているあなたを・・・」 ハザマ「だからこそ、こうやって薬を持ってきて上げたんじゃないですか。」 ハザマの後ろには大量の人間がいた。性別や年齢に統一性はない。あえて言うなら皆健康そうだろうか? 「いやだぁ!」「助けてくれ!金なら払う!」「やめて、お腹に子供がいるの!」「おかーさーん!」 皆が思い思いに悲鳴を上げている。床の死体が・・・自分たちのこれからを暗示しているのがわかるのだ。 ???「ふん・・・確かに・・・それだけあれば暫く足りるだろう・・・さぁ俺の為に死ね塵共!お前らの価値などそれ以外にない!」???@ゼロサキ:そのすぐ後に、助けを求める声は絶叫に変わった・・・ 「あああああああああああああ!」「痛い痛い痛いいいいいいい!」「ぎゃああああああああああああ!」 そんな声が暫く響いた後・・・そこには大量の干乾びた死体と二人の男が残っていた。 ???「ふん、こんなものか。価値の塵共が。ハザマ、貴様ももう少しまともな物を持ってこい。無能が」 ハザマ「いやー、すいません。その代りと言ってはなんですが、いい情報も持ってきたんですよ?柊聖十郎さん?」 柊「ふん、どうせ近く開催される聖杯戦争についてだろうが。」 ハザマ「おや、知ってました?最初は私が行こうと思っていたんですが・・・行くのでしょう?」 柊「当然だ。あれならば俺の体も治せる可能性がある。ちょうど、それなりに喰いでのある塵も居そうだ。ちょうどいい」 ハザマ「ならば見学いたしましょう。精々楽しい劇を期待していますよ?」 柊「ふん、貴様らを楽しませる気などない。早く消えろ!」 ハザマ「ふふ・・・ではよい惨劇を、生きていたらまた会いましょう。」 ハザマが消える。その部屋には柊聖十郎が一人きり 柊「ふん、あの塵共も体が治れば皆殺しにしてやる・・・精々無様に足掻き、死ねよ塵共!俺の為になぁ!」 柊聖十郎 ???参戦たかみち@ニノマエ:——生まれた時代を間違えた、と誰しもに言われる。 それでも良いという奇特な女もいたが、今はもう墓の下。 只朽ちるのを待つだけの日々の中、彼は唐突に訪れた。 突然現れた左手の紋様、調べるとすぐにわかった聖杯戦争とかいう眉唾物、無聊の慰めにと行った儀式。 良く通る声で自身の名を述べた彼は一言言った。 「余を名に恥じぬ刀に鍛え上げてみせよ」たかみち@ニノマエ:…なんたる時代錯誤、なんたる荒唐無稽、なんたる高揚感。 彼からこの戦争の詳細を聞きながら、燻っていた思いが息を吹き返してきているのを感じる。 訝しげに、しかしどこか楽しげにこちらを見る「弟子」を見て、自分が笑んでいることに気づく。たかみち@ニノマエ:試合でも手合せでもない。 ……戦が、あるのだ。バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん:某所、間桐家。朝の早くから、その玄関はダイナミックエントリーされた。バーサーク雁夜おじさん:「じじい! じじい! 見つけたぞじじい! 寄越せ! 寄越すんだ! その腕を寄越すんだ!」 「ファ? な、何じゃ雁夜急に帰ってきて……っていたたたたたたたたた何するんじゃアームロックはやめんか!!!」 「じじい! 腕を寄越すんだ! あっ! じじい! その令呪のつく腕を寄越すんだ! じじい! じじい! あっ! その令呪を腕に寄越すんだ! じじいを寄越して令呪にするんだ! あっじじい! 令呪を寄越してじじいにするんだ! じじい! じじい! あっその腕をじじいにするんだ! 腕がじじいでじじいが腕で令呪のじじい! あっじじいあっ! 令呪を持って命ずる自害しろじじい!」 「いやお前何言っていだだだだだだだだだもげる腕がもげるやめろめろめろもげるめろ!!! やめろっつってんだろこのバカ息子!」バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん:~少々お待ちください~バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん:「はあ……はあ……で、お、お前は聖杯戦争に参加すると? 本気か? 一流の魔術師さえ命をかける戦場にお前のような魔術を電源としか思ってない輩が入ったところで死ぬだけじゃぞ」 息を荒げているのは間桐臓硯。 この家の家主であり魔術師、小さい頃の渾名は昆虫博士、最近ではムシキングに興味津々の500歳である。 自称聖杯戦争のベテランである彼はトチ狂ったとしか思えないバカ息子を諭そうとする。バーサーク雁夜おじさん:「大丈夫、俺のバーサーカーは最強なんだ!!!(集中線)」 だがこの男、人の話を聞きやしない。元々自由人だったが一体何があったのか、じじいは困惑するしかない。 「え、何こいつ。何でバーサーカー召喚するのが確定してるんじゃ。よりによって死ぬ程扱いにくいクラスを、まあ専用呪文あるけど……」 「いらない」 「ファ?」バーサーク雁夜おじさん:「令呪だけ寄越せ。この俺が召喚するんだから触媒なんてなくても出てくるのはバーサーカーで、ランスロットで、最強なんだよおーーー!!!」 そういって、おじさんはじじいの手元にあった包をひったくり走り出した。 「あっこら! わしはまだ認めておらんぞ! ひみつ道具令呪剥がすくんで剥がした令呪を勝手に持って行くな! つーか何でお前入れた覚えのないうちの地下への道を知っとるんじゃ! 待ちやがれこのカス! ぶっ殺すぞ!!!」バーサーク雁夜おじさん:「ヒィヤーハア!!! スペシャルで、三千回で、模擬戦なんだよお!!!」 「コーラサワー乙! 別に不死身でも何でもねえからなお前人の話を聞かんか!! アー! 扉を蹴破るなわしの工房じゃぞ!!!」 じじいも懸命に追い縋るが、元ルポライター現ニートの健脚は強化魔術による追随を許さない。虫をけしかけても撃ち落とされる。何だコイツ。バーサーク雁夜おじさん:そして500年前から刻みっぱなしのザルセキュリティな召喚陣にたどり着いてしまったおじさんは、跳躍からのカッコイイポーズで叫ぶ。 「祖に銀と鉄と俺とバーサーカーと最強と(集中線)で来たれ天秤のサスケェ! お前がオレオで俺が最強のアロンダイトォ!」 「英霊召喚馬鹿にすんな!」バーサーク雁夜おじさん:だがしかし、召喚陣は眩い光を放ってしまうのである。 「ウッソじゃろおいこれ……」 「よっしゃキター!!!!!!」 もうすでにいろいろと死にそうな顔をしているじじいと喜色満面なおじさん。 そして、奴は現れた。紫の甲冑を狂気に染め上げ、染め、染め上げ……?バーサーク雁夜おじさん:「サーヴァント、バーサーカー。召喚に応じ……って、おや? 狂化は???」 「俺のバーサーカーは最強なんだ!(集中線)」 「えっ」 そうして、おじさんの聖杯戦争もとい、天下一サーヴァント武道会が幕を開けるのであった。バーサーク雁夜おじさん:@辿条@御来屋:-御来屋椿 オープニング-辿条@御来屋:そして、僕の願いは叶った。辿条@御来屋:名も知らぬ男の為と、由緒正しき血筋の為にと望まぬ 教育 を受けていた。 折檻の最中に使い物にならなくなった左腕は無機質なつくりものに挿げ替えられ、潰れた左の眼は硝子玉のような冷たい感触を埋め込まれていた。 月を見上げる。僕は願う。月光に照らされて血肉の通わぬ左腕が金属の光沢を映した。辿条@御来屋:自由が欲しい。 そして、僕の願いは叶った。辿条@御来屋:「出来るだけ、あの家から。あの座敷牢から。遠くへ、遠くへ、何処か、遠い場所へ。」 「それはあのおそらよりとおいところ?」 「そうだね。もっと、ずっと、遠くだ。流れ星のやうに、彗星が如く。」 「わかったよ!もっと、ずっと、とおく!いっしょに!」 「そうだね。一緒に。」辿条@御来屋:僕は感謝せねばなるまい。聖杯などと言う願望器に縋るまでも無く、僕の自由は手に入った。 目の前が明るい。真黒の装束は赤を吸い込み、尚も昏く輝いてゐた。辿条@御来屋:「お前さま、是から如何しやうか。何か、ねがいごとなど、無いか。」 「おねがいごと?」 「そう。」 「わたし、ますたーと、ずうっといっしょにいたいです!」 「そうか。」辿条@御来屋: 小さな体を抱き締めた。嗚呼。 僕達の願いはほんのささやかなもの。 そして、僕の、願いは叶った。辿条@御来屋: 「月が綺麗だな。」 「ほんとうだ!きょうはまんげつなんですね、ますたー!」 まるで届きやしない場所で、月が輝いている。辿条@御来屋:〆。みみぴい@らぶか:ワタシ、夢実乃らぶか17歳。オカ研部長ただいま青春真っただ中!みみぴい@らぶか:部室の神棚から怪しい本を見つけたんだけどそれが聖杯戦争へのカギだったからさあ大変!!みみぴい@らぶか:アーチャーを名乗る外人のイケメンが現れたけどワタシには去年卒業した想い人の先輩がいるのみみぴい@らぶか:かなえてこの想いとどけmyラブみみぴい@らぶか:え?この戦争を勝ち抜いて先輩と両想いになるのかって?みみぴい@らぶか:ちっげぇーよ!!そっちはサーヴァントのお前が叶えんだよ、その弓矢は飾りか!みみぴい@らぶか:ワタシは聖杯を使って大学に進学すんの!みみぴい@らぶか:ライバル達をぷちっと退けてワタシ程度のアリンコ偏差値で行けるわけもない某有名大学に聖杯の力で合格するんだよぉぉぉぉーーーッッ!!!みみぴい@らぶか:まっててねー先っ輩ー!!みみぴい@らぶか:おわり 最初|次→ 1日目 |02KK聖杯戦争OP|02メイン |0201霊地 |0201学園| 2日目 |0202海岸 |0202学園| 3日目 |0203霊地| 4日目 |0204霊地|0204霊地02 |0204霊地03 |0204霊地04 |0204霊地05| 5日目(最終日) |0205霊地 |02聖杯戦争ED |02ネタバラシ回|
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A.J.@監督役トニー:【OP】A.J.@監督役トニー:「レディイイイイイイイイイイイイイス・エエエエエエエエエエエン・ジェントルメエエエエエエエエエエエエエン!!!?」A.J.@監督役トニー:近くにあるテレビ、手元にある携帯など、とにかく映像が見れる端末にそれは映ったA.J.@監督役トニー:スポットライトに照らされた、豪華な飾りをつけた、かろうじて神父であるとわかる格好の男がマイクを手に高らかに叫ぶA.J.@監督役トニー:『聖杯戦争に参戦してくれた参加者諸君!まずはミーから心からのお礼を!!セーーーーンキウ!!!』A.J.@監督役トニー:『ユーたちのおかげでミーや視聴者諸君がガンガン楽しめるのさァ!!!』A.J.@監督役トニー:『そう! この聖杯戦争は、会員様限定!有料放送をされてるのさァ…だからみんな、頑張って視聴者の皆様を楽しませてくれたまえ!!』A.J.@監督役トニー:『え、うさんくさいって?』A.J.@監督役トニー:『ノォォォォォォプロブレムッ!!!』A.J.@監督役トニー:『ミーがうさんくさいのはまあ我慢してもらうとして、しかしユーたちが殺し合い奪い合ってもらう聖杯、これは本物だ』A.J.@監督役トニー:カッ、と男の後ろにある台座が、そこに置かれた聖杯が照らされるA.J.@監督役トニー:『この通り!! ユーたちはよその聖杯戦争と同じようにこれを奪い合ってもらって願いを叶え!!』A.J.@監督役トニー:『ミーはその様子を放送して利益を獲得!!』A.J.@監督役トニー:『HAHAHAHA!! WIN-WINってヤツだNE!!』A.J.@監督役トニー:『あ、そうそう!! 自己紹介が遅れたね!!』A.J.@監督役トニー:『ミーの名前はアーロン! アーロン・ユルキアイネンさ、よろしくブラザーズ&シスターズ!! フレンドリーにAJと呼んでくれ!!』A.J.@監督役トニー:『それじゃあ明日から開始させてもらうよォ!! 諸君!! 検討を祈ってるぜえ!!』A.J.@監督役トニー:『シィィィィィズゴオオオオオオオオオウラッキィィィィィィィ!!!!』A.J.@監督役トニー:派手なポーズを取ると、ブツン、と画面が消えた 京里@たかみち:【オープニング】京里@たかみち:『この街で戦争が行われる』 裏通りにはありふれた、よくある抗争騒ぎと思っていた。 しかし少し調べてみると、次々とそれに関する情報が集まったのだ。京里@たかみち:7つの陣営に分かれ頂点を賭け争うこと、以前にも行われたことがあり場合によっては死者も伴うこと、それが聖杯戦争と呼ばれる事。 そして何より目に入ったのは、この戦争の審判役は戦争を見世物にして儲けを目論む男であるということ。京里@たかみち:願いを叶える器だとか魔術師がどうとかと言われ荒唐無稽と言ってやりたかったが、 自分の右手の甲の紋様と今俺の傍に佇むサーヴァントとやらの存在がその実在を雄弁に語っている。京里@たかみち:…そういえばこのサーヴァントを召喚してからなんだか体の動きがいい。 加えて無性に腹が減るが、魔術というのはこういうものなのかもしれない。京里@たかみち:何はともあれ、俺のやることはひとつ。あれだけ煽られては引き下がる気も起きない。 携帯をポケットにしまい、気合を入れる。京里@たかみち:「…俺の街で、好き勝手するんじゃねえぞ、阿呆が!!」 フランチェスカ@辿条:【Francesca・Croce・オープニング】フランチェスカ@辿条:掃き溜めと言うに相応しい場所だった。 質の悪い酒を飲み散らかした大人の吐瀉物を踏み荒らして、迷い込む馬鹿な旅行者からなんでもいいから分捕って走り去る。 私はそう言う場所にいて、きっとゴミ以下の存在だった。そして踏み潰される吐瀉物のように、価値のない存在だった。 世の中は価値が全て。ちゃらちゃらと鳴らす硬貨数枚で春を売った女のように、口汚く罵られながら油塗れになる男のように、海の向こうへ連れて行かれる子供たちのように、金があれば人は如何様にも動かせると我が偉大なる故郷にて学んだ。 金と言うのはどうにも素晴らしいものだ、美味い食事が食べられる、高度な教育は受けられる、綺麗な服は着る事ができる———人の命を好き勝手に出来る。ああ、なんと甘美な響きであろうか。 「なあ、きみもそう思うだろう」 目の前の彼は頷きもしなければ否定もしなかった。分かっている。彼の価値観はそんな所にいないのだ。 私は音楽家、技術を売る人間だ。素晴らしい音楽を、パフォーマンスを、人々に満足と言う価値を売る誇り高き音楽家だ。 そしてこれから、私は更なるパフォーマンスを求められることになる。フランチェスカ@辿条:魔術による殺し合い。聖杯戦争。人間が人間を食い散らかす掃き溜めの舞台。フランチェスカ@辿条:「まるで娼館じゃあないか、そう思うだろう。なあ」 目の前の彼は頷きもしなければ否定もしなかった。分かっている。彼の興味はそんな所にいないのだ。 「さながら我々は娼婦、浅ましくも力と知恵を手に媚を売って聖杯と言う報酬を涎を垂らしながら奪い合うのだ」 彼は何も言わなかった。構わない。雑音など気にすることはない。 「果たして」 口角を吊り上げた。少しだけ、語尾に怒気が混ざってしまったかもしれない。どうせ気にするような人は誰もいないのだけれど。 「果たして、そんなものが液晶越しの出来事とでも思っているのかい?」 そこだよ、そこの君たちだ。画面の前で大口開けて殺し合いを嬉々として観戦する、きみたちに聞いているんだよ。 静かになった機器をそうっと撫でる。ああ、窓の外には、気をつけな。 ???@ゼロサキ:??? OPシーン???@ゼロサキ:急にテレビの映像がつく・・・そこにはとある部屋映っていた 暗い・・・窓ひとつない部屋・・・恐らく書庫だろうか・・・そこに二人の人影があった。 ????「もう少しで始まりますね・・・」 ???「あぁ・・・これで私の願いが叶う・・・この体も悪くはないが・・・どうにも欠点が多い・・・」 ???「あぁそういえば・・・そういえば貴様に聞きたいことがあったのだ。」 ????「なんでしょう?」???@ゼロサキ:???「難しいことじゃない。ただの言葉遊びだ。お前は・・・生きるとはなんだと思う?」???@ゼロサキ:????「生きるですか・・・それは難しいですね・・・逃げることです。私を殺そうとする全てから。」 ???「なるほど・・・そのためにあれ作った貴様らしいな」???@ゼロサキ:????「ならあなたにとって生きることとは?」 ???「俺は「恐怖」を克服することが「生きる」ことだと思う」 ???「そのために俺はここにいる。太陽を克服し、ジョースターの血統を潰すために。」 ????「ならば勝たなければ行けませんね・・・DIO様・・・全てはあなたのために」DIO@ゼロサキ:DIO「当然だ、なぜなら俺は・・・俺の能力は世界を総べるべき能力なのだからな!」 DIO「クク・・・・ふはははははははははははははは・・・!貴様見ているなぁ!」 その瞬間、テレビの画面が砕けた。 ディオ・ブランドー 参戦 神足 文斗@たまき:【神足文斗 OP】神足 文斗@たまき:古物商の実家の手伝いを任されたのがほんの数日前のこと。 部活も大きな大会が終わり、少しゆっくりできると思った矢先にこれだ。 接客はめんどくさいから絶対にしたくないと言い張ると、街はずれにある古い倉庫の掃除を押し付けられた。神足 文斗@たまき:「埃を取り払うだけでいいから」と言われてまあそのくらいなら……と承諾した数日前の自分を叱責したい程度には滅入っている。 表の顔は古物商、裏の顔は魔術師である父親が仕事のついでに「魔術に使えそうなもの」を片っ端から突っ込んでいた倉庫だとは聞いていたが、予想以上に変なものであふれ返っていたからだ。 明らかに装丁に使われている素材が異常だとわかる本。猿のモノで作ったと思い込みたい頭蓋骨のランプ。人間の苦しみ悶える様を描いた絵画……。神足 文斗@たまき:「これ、絶対に呪われてるよなぁ……」 念のため呪い除けの効果があるというアイテム—金属の欠片のようなもの—を持たされてはいるが、正直気味が悪い。悪趣味っぷりに辟易しながらも一つ一つ埃を取っていく。 その中に、やけに気を惹かれるものがあった。神足 文斗@たまき:「……なんだろう、これは」 真っ黒に汚れた金属の塊だ。ほかの物と違うのはそこに施された装飾がヒトの体をモチーフにしていなかったこと。 何かの葉と鳥の翼が彫られているようだ。手に取ってみるとそれが欠けた鎧であることがわかる。 ——この欠け方、どこかで見たことがあるような……。神足 文斗@たまき:ふと思い立って懐にしまってあった魔除けのアイテムを取り出す。 「やっぱり。ピッタリだ」 欠けたところにそれを充てると、パズルのピースのようにぴたりと嵌った。 あとから接着剤で修復なんてやったら絶対怒られるよな……などとぼんやり考えていると、突然手元の鎧が震えだした。神足 文斗@たまき:「あッ!?」 突如手に伝わる痛みに耐え切れず思わず鎧を落として後ずさる。がらんと床に落ちる鎧。 右手の甲が熱に焼かれたようにずきずきと痛む。恐る恐る目をやると、そこには見たこともない真っ赤な紋様が刻まれていた。 「え、あ、な、何が——」神足 文斗@たまき:うっすらと発光しているようにさえ見えるそれに戸惑っていると、不意に顔に強烈な熱を感じる。 どうやら鎧が発熱しているらしい。真っ赤に光り輝き、急激にこちらにも伝わってくる。それを中心に光の環と文字のようなものが地面に現れ、自分の足元まで拡がる。 一際大きく鎧が輝くと同時に、猛烈な熱風が辺りを覆った。神足 文斗@たまき:気が付くと、少し離れたところにあるガラクタの山の中まで自分の体が移動していた。 いや……移動したのではなく、吹き飛ばされてここまで叩きつけられたのか。 ぶつけたらしい体の至る場所がズキズキと痛む。埃が充満し、まともに目を開けない。神足 文斗@たまき:必死に目元を擦っていると、埃に覆われた視界の向こうからがちゃがちゃと金属がぶつかる音と人の声が聞こえる。 「やった!やったーっ!やーっと現界できた!流石に無理かなって思ったけど、駄目元で試してみるもんね!」 聞いたことのない女の声だ。随分と喜んでいるらしい。埃がおさまるにつれ、その姿が露わになっていく。神足 文斗@たまき:赤く長い髪を三つ編みにして背中に垂らした、青い瞳の美しい女だ。 年は自分と同じくらい。体は鎧に覆われていて、今にでも武器を構えて戦に向かいそうな、好戦的な印象を受ける。 ——正直、関わるとろくなことにならなそうな感じがする。神足 文斗@たまき:「あら……あたしを召喚した人はどこかしら。まさか今ので死んだとか?」 「ごほっ……あの、勝手に殺さないで……くれませんか……」 「やだぁ、そこにいたの?黒すぎて気づかなかったわ」神足 文斗@たまき:とは思いつつも、こんな状況で関わらずに凌ぐなんて無理な話だ。ゴホゴホと咳込みながらも彼女の発言を否定する。 「まさかこんなのに耐え切れない軟弱野郎だなんて……ま、召喚に成功したことは認めてあげる。少なくともあたしの運命のヒトではないみたいね」 彼女が差し出した甲冑に覆われた手を掴み、ガラクタの山から体を起こす。どさくさに紛れてとても失礼なことを言われたような気がするが、聞き流しておこう。神足 文斗@たまき:「さて。今回は特別にあたしの方から名乗ってあげるわ」 上から目線に加えて一方的にべらべらと喋る女。 元から女は得意ではないが、自分が一番苦手とするタイプのようだ。自己紹介なんて頼んでないのに。押しつけがましいのも苦手だ。神足 文斗@たまき:「サーヴァント、ランサー!召喚に応じ推参したわ!……なーんて、一度言ってみたかったのよねこのセリフ!」 ……こいつ、今何と言った? PLAYER@みみぴい:【オープニング】PLAYER@みみぴい:俺の名はリュナス・ハックマン。 世間ではこいつを俺の本名というのだろうが俺の本質はテレビゲームのキャラクターと同じだ プレイヤーが思いついた名前を付け、操作する 俺の意思とは関係なく、依頼(クエスト)やら調教(レベル上げ)やらこなさせる。 同じ事を俺の生みの親はやっていたPLAYER@みみぴい:そうだよ。聖杯戦争。 そいつを勝ち抜くために親(プレイヤー)は俺のレベルを上げた 実戦経験がある分ちょいとした雑魚戦では困らない。 だが、キャラクターとして意思がある分。この状況はなまじ退屈だ 長い間名付けられた名前。役どころ。リュナス・ハックマンとして動いてやったが そろそろ俺もコントローラーを握りたい。人形(キャラクター)は退屈だPLAYER@みみぴい:そんなときにようやく知らせが舞い込んだんだ。 待ちに待った新作。聖杯戦争開催の吉報。 スマホの画面からクソ程胡散臭い司会者が、テンプレ的に、バトルロワイヤル形式の内容を告げる。PLAYER@みみぴい:心が躍った。ようやく俺もプレイヤーとして自分(キャラクター)を操作できる。 ようやくクソゲーの中でぼんやり指示を待つだけじゃなくなる。 コントローラーがこの手に渡るんだ。PLAYER@みみぴい:御託やnpcの名前はこの際どうでもいい。 重要なのは俺に参加権があるってことだ。用済みになったそれの電源を切る。 それをポケットに入れて一人ほくそ笑む。 聖杯(トロフィー)は自分のために使おう。 制約通り家に収める必要はない 暇つぶしにやっていた過去のゲーム達。さようなら 正義の勇者、伝説の傭兵、優しい魔王。そんなものは飽き飽きだ 選手交代だろ。この時まで散々待たせやがって。 次は俺の番だ。さあよこせ。PLAYER@みみぴい:血濡れの手の甲に浮かんだ令呪に全身が総毛立つ。 目の前の白い獣は俺の最初で最後の武器だ。 「せっかくだからラスボスになろうぜ。ヤギ」 「メェェー」PLAYER@みみぴい:さあ新作の登場だ。電源を入れタイトルロゴの挿入を待つ。 名前をいれてください?ははは。aaaaでもあああああでも何でも構わないさ。 俺はプレイヤー。ゲームスタートだ 零史@エルトラスト:【エルトラスト・OP】零史@エルトラスト:「聖杯戦争。このような物を主はお許しになったのでしょうか」 「わからない。でも、貴方がそう仰るなら、この戦いは無意味なのでしょう」零史@エルトラスト:——さて、ひとつ僕の話をしよう。零史@エルトラスト:ホムンクルスをご存じだろうか? 詳細は省くが、まあ所謂人造人間だ。 魔術師なら誰でも持っているかもしれないし、いるかもしれない。 そんな中の戦闘用ホムンクルスの1体。それが僕だった。零史@エルトラスト:マスターは僕に戦えという。その為に生まれたのだという。 でも、僕は自由が欲しかった。 人になりたかったんだ。零史@エルトラスト:聖杯戦争が始まり、僕のマスターは僕を戦場に出した。零史@エルトラスト:客を喜ばせる仮初のマスターとして。零史@エルトラスト:教わった通りに召喚されたサーヴァントは、いや、彼女は…… 「もう大丈夫、貴方に救いがあらん事を」 僕にとっての、神様だった。零史@エルトラスト:もうマスターなんて知った事か。 貴方とともに戦おう。 貴方とともに生きよう。 それが僕の望みなのだから。 葵@RE=IN:【久我原 葵・オープニング】 聖杯戦争——万能の願望器を巡る殺し合いに私が参加したのは、なんてことの無い使命感だった。 久我原が治めるこの土地で、勝手に魔術儀式を開催し、あまつさえそれを見世物にする。……到底許しておけるものではない。 可能な限り迅速に、そして確実に、聖杯戦争を終結させる。何としても…どんな手を使ってでも。 「……信じていますよ。貴方と一緒になら、この聖杯戦争を終結させられると」 「任せてくれ、マスター。僕の全てで君を勝利に導こう」 ええ、それでは…… 「さぁ、聖杯戦争を終わらせましょう。何としても守りますよ、この地を……!」 できるなら、何事もなく終わってくれればいいけれど……。 最初|次→ 1日目|01SB聖杯戦争OP |01メイン |0101教会 |0101住宅街 |0101霊地| 2日目 |0102教会 |0102住宅街 |0102霊地| 3日目|0103教会 |0103霊地| ※申し訳ない、この日だけログ保存形式を間違えたため記事内にリンクがありません…! 4日目 |0104学園 |0104住宅街| 5日目|0105学園 |0105霊地| 6日目|0106住宅街| 7日目|0107霊地| 8日目|0108教会| 9日目|0109霊地 |0109教会| 10日目(最終日) |0110霊地 |01SB聖杯戦争ED |01ネタバラシ回|
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――月が/地球が、見ている。 Λ Λ Λ Side Earth ――月。 それは度々、神秘の象徴として扱われる。 月の満ち欠けは人間に度々影響を与え、満月は人を狂わせてきた。 魔術師にとっても、儀式などを行う日時を自分にとって調子にいい月齢に合わせるというのはよくある話だ。 ――太古から地球と共にあった月は同時に、地球をずっと見てきた監視装置でもある。 そのような言説は、長くから魔術師達の間では取り沙汰されていた。 ――ムーンセル・オートマトン。 月で発見された、太陽系最古の遺物。神の自動書記装置。七天の聖杯(セブンスヘブン・アートグラフ)。 その情報改竄能力だけで現実世界の書き換えを可能にする観測機。 その起源は定かではない。 異星の文明による地球の記録装置であるという噂もあれば、神による聖遺物であるという説、あるいは並行世界から現出した、全ての並行世界の観測機であるという話。 噂には枚挙が暇無く、どの噂が真実なのか、――あるいは、どの噂も真実なのかは判然としない。 『あなた』がそのムーンセルに興味を持ったのは、ある噂からだった。 ――ムーンセルは周期的に地上の人間をその内に迎え入れ、『聖杯戦争』を行わせる。 聖杯戦争。『聖杯』を奪い合う、英雄達とそのマスターによる殺し合い。 ――その勝者は、万能の願望機である聖杯の使用権が与えられる。 ムーンセルが何故そのような催しを行うのかは、はっきりとしない。 その存在理由から考えれば幾らかの推測は立つが―― 推測はあくまで推測であり、確固とした結論としては程遠い。 ――さて。 『あなた』は聖杯戦争に挑もうとする者の一人だ。 その目的は聖杯を手に入れるためか、あるいはムーンセルの目的を知るためか、はたまたまったく別の理由か。 ともあれ、確固たる目的を持って月へと向かおうとしているか――あるいは、ただ単に『条件』を満たした故に巻き込まれただけかもしれない。 参加条件は二つ。 『月の石』。 これが聖杯戦争への片道切符であり、願いを手に入れるための半券。 そして――その裡に『願い』を抱いていること。 奇跡を欲するならば、汝―― Λ Λ Λ Side Moon ――そして、『あなた』は目を覚ます。 ムーンセルによって参加者を選別するための『予選』。 記憶を奪われた偽りの生活の中で、『あなた』はその才能か、若しくは願いか――或いはその両方かで、自らの記憶を取り戻して予選を突破した。 「――ようこそ」 「貴様が新たなマスターか」 取り戻したばかりの意識に、誰かの声が聞こえてくる。一人――いや、二人だろうか。 とてもよく似た声だから、一瞬同じ人物と錯覚したが――よくよく聴けば、声のトーンはかけ離れている。 霞む目を凝らして、前方へと目を向ければ―― 二人の英霊が、そこに立っていた。 右に立つのは白の姫騎士。 白い鎧姿に金髪のポニーテールの彼女は、ややもすれば目を奪われそうな美貌と、凛とした正統な英霊足る気配を同時に兼ね備えている。 左に構えるのは黒の暴君。 漆黒の鎧兜から垣間見える青白い顔は、隣に佇む白の姫騎士と同じ貌を讃えながら――その空気は、全ての生きるモノを凍えさせるような、圧迫感を放っていた。 どちらも、最高位のサーヴァント。 だが――『あなた』のサーヴァント、ではない。 「私は『管理者』の役目をムーンセルから任されたサーヴァント――“白”のルーラーです」 「同じく、“黒”のルーラーだ」 ルーラー。裁定者の英霊。 聖杯戦争を管理する審判者―― だが、それが二人存在するとはどういうことか。 「それについても、あなたに話しておくべきことがあります」 「率直に言おう。今回の聖杯戦争には異常事態が発生した」 ――異常事態。 おそらく、ルーラーが二人も存在する理由に起因するものだろうが―― 「月の聖杯――ムーンセルは地球、その事象の全てを監視し、記録しています」 「そう。全てを記録し、今回の聖杯戦争に当たってそれをムーンセル内部に再現した。 ――それがよくなかった。今回ムーンセルに記録されていた情報の中には、“地球の聖杯”が含まれていた」 地球の聖杯? と問いかけたあなたに、白のルーラーは話を続ける。 「冬木の聖杯戦争、その聖杯です――あなたが知っているかは知りませんが。 ムーンセルは記録してしまったそれを再現しようとしました。その結果――」 「ムーンセルに、“月の聖杯”と“地上の聖杯”が同時に存在する事態が発生した」 それだけなら単にお得、にも思えるが――ことはそう単純ではないようだ。 そもそもここはムーンセルのリソースを使って再現された空間。そこに冬木の聖杯が顕現したということは―― 「冬木の聖杯はムーンセルのリソースを大量に消費して、再現された冬木に居座っています。 ――いえ、そればかりか、月の聖杯の代わりに願望機として成り代わろうとしてさえしている」 「ゆえに月の聖杯は地上の聖杯を排除しようとし、地上の聖杯はそれを妨げようとした。 ――どちらも、サーヴァントを召喚してな。 この聖杯戦争は、月の聖杯と地上の聖杯の代理戦争だ」 ――なるほど、合点がいった。 ルーラーが二人存在している理由――それは月と地上の聖杯、それぞれがルーラーを呼び出した故か。 「その通りです。 ――誤解があってはいけないので先に説明しますが、私たちがどちらの陣営に肩入れするようなことはありません」 「我々の使命はあくまで聖杯戦争の管理だ。 ルール違反の処罰以外で、恣意的に戦争に干渉することはない」 “白”の陣営と、“黒”の陣営の聖杯大戦。 そこに管理役が積極的に干渉することはない、ということだろう。 「勝利した陣営には、通常通り聖杯の所有権が与えられる。 ――とはいえ、聖杯が一つしかないことは留意すべきだろうがな」 黒のルーラーは、そう『あなた』を挑発するように宣告する。 そう。聖杯は万能の願望機――どちらかの陣営が勝利したとして、その後それを争ってまた戦争が起きないとは限らない。 故に、敵陣営だけではなく、味方陣営も潜在的な敵となり得る。 それがこの聖杯大戦の本質か。 「個人的には、そのようなことはあって欲しくありませんが――」 白のルーラーは、そこで言葉を切った。 それ以上は自分の言うべきことではない、と理解しているからだろうか。 「貴方を歓迎します、新たなマスター。 ――この戦いで、あなたが答えを見つけられますよう」 代わりにそう言って。 ――白のルーラーは、黒のルーラーと共に身を翻し闇の中へと消えていった。 そして『あなた』は、その場に一人取り残された――いや。 もう一人。『あなた』の傍らに、立つ者の気配がする。 それは人類の枠を越えた存在。逸話に語られ、認められた者。 過去・現在・未来――あるいは平行世界においてムーンセルに記録された者。 ――サーヴァント。 これより『あなた』は、月と地球――その二つの陣営が争う聖杯大戦へと、足を踏み入れるのだ。 そう。 奇跡を欲するならば、汝。自らの力を以て、最強を証明せよ。
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PLAYER@みみぴい:【バッドエンド】 初めてゲームを触ったのはいつだっけ? キャラクターを支配するのは楽しかった コントローラーの操作のままに手足のようにキャラクターが動くのは楽しかった クリアしたゲームの数が増えるたび達成感と寂しさが体をよぎった 聖杯戦争を勝ち抜くための要望が日に日に増すたび連中が憎たらしくなった 聖杯戦争へ参加しても 俺の名前でスコアは残らない どれだけ白熱してもどれだけ接戦しても優勝したとしても 魔術師(あいつら)が名付けた以上リュナスはただのキャラクターネームだから 名家の面子を潰してゲームを滅茶苦茶にできたらどれだけ楽しいだろう おどけた司会も有象無象の参加者も裏切って だから俺は俺のプレイヤーを殺して乗っ取った 間違いなく俺が俺のゲームで遊ぶために なのに早すぎないか? 一人も殺せないで同情されているなんてまったくの負け犬じゃねーか ヤギは行っちまうし コンティニューはもう効かない 俺が落ちてもゲームは続くんだ 聖杯は汚染されないまま誰かの手に渡るんだろう 中ボスにもなれやしない 結局俺は弱小プレイヤーだったわけだ …ゲーム、オーバー ダガ—ぐらい握れると思ったけど、思ったように動かねーや ハハ、お前らこれ以上同情すんじゃねーよ。 雑魚倒したら次の敵が待ってンのがゲームなんだから 責任もって俺が倒せなかった強いの倒せよ じゃあなDIO@ゼロサキ:DIO EDDIO@ゼロサキ:会議室の様な部屋、かなりの広さをもつその部屋には現在誰もいない。 しかし、そこには一台の大型テレビがあり、そこには一人の男が映し出されていた。 その男は、ビルの屋上からワインを飲みながら街を観察している。 DIO「なるほど・・・いささか拍子抜けした結末ではあったが・・・まぁ息抜きとしては悪くなかったな」 DIO「出来れば太陽を克服してからジョースターを潰しておきたかったが・・・仕方あるまい」 ???「いえいえ、なかなか面白い出し物だったじゃないですか?見てる側は非常に面白かったですよ?」 DIO「貴様か・・・何をしに来た・・・ハザマ」 その瞬間、影が増える。そこにいたのは黒いスーツを着た男だった。 ハザマ「いえいえ、せっかくの舞台だったので感想を言いに来たんですよ。皆さん楽しんでましたよ?」 DIO「ふん、別に貴様らを楽しませるために参加したのではないがな!それで?他の連中はどうした?」 ハザマ「あぁ、吉良さんは手の綺麗な女性を見つけたと途中退場、 堕落王はバーサーカーを見て新しい発明を思いついたとこちらも途中退場です。 今頃、どっかの町にウイルスでもばらまいてるんじゃないです?」 DIO「ほう?それはいいな。結果次第ではそのウイルスは貰いに行くとしよう。カイロにばら撒けばジョースターへの足止めにはなる」 ハザマ「そのジョースターですが、どうも新しく助っ人を呼んだそうで、吸血鬼狩りの専門家と剣を持った一般人だそうです」 DIO「ふむ・・・では堕落王はついでに連れて行くか・・・そういえばハザマ、次の聖杯戦争は誰が出る?」 ハザマ「あぁ、次は私か・・・もしくはあの病人が出ますよ。そろそろ彼も聖杯がないと辛そうでして。」 DIO「なら次はゆっくりと見学させて貰おう。ヴィルヘルムも復活したのだろう?」 ハザマ「えぇ、獣殿が作り直したそうです。便利な固有結界ですよねぇ。」 DIO「魔力さえあれば無限に作れる駒だ。さぞかし便利だろうさ。」 ハザマ「ですねぇ、ではそろそろ私は行きますよ。一部の方々は適当にどこかで暴れているようですし、回収しないといけませんので。」 DIO「そういえば・・・私はこの組織では新参だが、誰が、何故この組織を作ったのだ?ハザマ」 ハザマ「誰が作ったかは私も知りませんよ。私も途中参加ですしね。ただ作った理由は知っていますよ。」 DIO「それは?」 ハザマ「面白いからに決まってるじゃないですか!今回の様な化け物を殺す英雄譚も、化け物に殺される恐怖劇も・・・ね。 それこそが、我々、王宮道化師(ジェスター)の存在理由ですよ。」 DIO「ふん、狂人が。まぁいい、精々利用させてもらおうか。では私も行くとしよう。次の舞台楽しみにしているぞ。」 ハザマ「えぇ・・・それでは視聴者の皆様、御試聴ありがとうございます。今回は見事なハッピーエンドでいしたが、 次はもっと楽しい楽しいエンディングをお見せしますよ・・・クク、ヒャハハッハハハハハハハハッハハハ!」 ブチン・・京里@たかみち:開発地の機材の陰、日なたを避けるような場所にそれはあった。 「・・・なんであんな綺麗に残ってんだよ」 腕を落としてきたという彼の言葉が気になり向かってみた結果がこれだ。 だいぶ時間が経っているだろうに傷みもなく美しいままの腕を見るに、本当にキャスターのマスターは人の理の外にあったらしい。 『吸血鬼は不老不死を誇り、その血を使って眷属を増やす』聞いたところによるとDIOはそのような存在だという。 「ならもらうわけにはいかねえよな、不老不死の人狼とかとんだバケモンだろ」京里@たかみち:俺が傷つけた街で過ごす最後の日。 久我原と話し合った結果、俺は明朝ロンドンに向かうこととなっている。 フランは早々に帰国してしまい手紙を出すと言ってくれたがどうも行き違いとなりそうだ。 神足とはあまり話ができなかったなと本人に零したらその分いい土産話を頼むと言われた。 エルトラストとあの聖女にも一言礼を言いたかったのだが、無理に探すのもなんだか野暮だ。 「…本当に俺は、恵まれてんなぁ」 多くを傷つけた自分に立ちあがる機会をくれた人がこんなにもいてくれる。 無論、この腕の持ち主の彼もまたその一人なのはまぎれもない事実だ。 いつかこの街に戻り、この街を今度こそ守る前に言葉を交わせたらというのは流石に贅沢だろう。 彼の腕から抜き取った腕輪がひとつ、ドッグタグと並んで胸元に揺れる。 「ありがとう、人間になってみせるからよ」フランチェスカ@辿条:Francesca・Croce【バッドエンド】フランチェスカ@辿条:「今日は。それとも、チャオ!の方がわたしらしいかい?この手紙が届く頃はジャポーネは何時だろうね。 ともあれ今回の出来事でのゴタゴタはまだ収まっていないだろうし、さくっと手短に纏めておこうと思う。 んーと、まあ。ただの宣伝で申し訳ないのだけれど、今度例の街にて我々はオペラを講演することになったんだ。 のうのうと生き残ってしまったからね。開き直って本職の方に打ち込もうって事にしたのさ。 楽団の皆には怪我やら何やらを心配されてしまったよ、全く以て大袈裟なものさ。 段々この時期、ジャポーネは暑くなって来るんじゃないかな?気を付けて日々を過ごしてくれよ。 平気そうなのは人狼の坊やぐらいかな?彼は今、時計塔へ向かっているのだったっけ。元気かな。 用事も書き切れていないのに話がそれてしまうのはわたしの悪い癖だな、失礼。 今度のジャポーネへの旅は1か月後になるから、もしよかったら観に来ておくれよ。封筒にチケットを同封しておいたから。 それでは、Ci vediamo.また会える日を楽しみにしているよ。 親愛なるきみのFrancesca・Croceより」フランチェスカ@辿条:古惚けた楽譜と台本をぱさりとそこに置く。さて、残りの準備期間は1か月だ。それまでに用意を整えなければなるまい。 彼らと会えるのが楽しみだ。人狼の坊やは帰ってきてくれるかな。新調した楽器も見て貰いたいんだ。 善性の人間たちが勝ち残り、平穏を迎えたあの戦争。今でも鮮烈に思い出せる、なんと甘美な舞台だったんだ。 結局舞台を一番いい位置で観られるのは役者に他ならない。その蜜をカネなどと言う無粋な対価で啜ろうなどと、考えが甘いのだ。 ”彼ら”は最高の役者であり、観客なのだ。舞台からもう降りてしまうなんて勿体ない。なあ、そうだろう。 「新たな戦争-舞台-を始めようじゃあないか」 1か月。ありとあらゆる手段を用いて、根回しをしないといけない。新たな聖杯は既に胎動を始めている。 血塗られたような舌がその口から覗いた。窓に映った姿に、貌は—————神足 文斗@たまき:あの戦いが終わってから、もう何日が経ったのだろう。 籠の中からばさ、と軽い音を立てて空に飛び立つ烏の姿を見ながらぼんやりと思い出す。 一つ一つ、ゆっくりと、骨董品に手を触れるように、埃がついていないか確かめるように。 彼との最期の戦いを終えて光の粒となって消えていく彼女の言葉が烏の羽音の中でもはっきりと聞こえるほど、鮮明に頭の中に響く。 『やりたかったことはいろいろあるけど、満足よ』 結っていた髪が解けて、その一本一本がきらきらと輝く。このときだけは素直に綺麗だな、と思った。 『終わり良ければ全て良し、あたしも潔く座に還るとしましょう』 『……気を付けて』 何か気の利いた言葉でも、と口を開いてみても、ごく単純なものしか紡げない。 『ありがとう、マスター。貴方のような人に召喚されて良かったわ』 『……珍しく素直だね』 『今にも泣きそうな顔をしてる相手に向かって、突き放すようなことを言う奴だと思ってるワケ?』 『い、いや、そんなこと、は』 言われて初めて目元にたまる熱いものの存在に気付く。未だ令呪の刻まれた手の甲でそれをぬぐった。 『泣かないで、マスター。きっとまた会えるわ。いいえ、会いに来てあげる』 暖かく眩い光の中で彼女が微笑んだ。まるで女神のようだ。いや、実際女神だけど。 『だから、あたしはさよならは言わないわ。もう一度会いましょう。約束よ』 一際大きく金色の粒子が舞って、それから先は———神足 文斗@たまき:烏が一羽、雲一つ無い青空から降りてくる。 使い魔の飼育なんてめんどくさいと最低限のことしかやってこなかったけど——あの時をきっかけに、少し扱いが上手くなった気がする。 「少しずつでもいいから、こうやって勉強していけば……」 かつて令呪が刻まれていた手の甲に触れながら、ぽつりとつぶやいた。 もう痛みは無い。 一度は投げ出そうとしたこの力だけど、こうやって共に歩んでいく人生も悪くないかもしれない。葵@RE=IN:【久我原 葵 ED】 秋の聖杯戦争から早1か月。そろそろ外出時に厚手の上着が欲しくなってくるころだ。 久我原の土地はすっかり元通り。未だ聖堂教会から使者は来るけれど、あの頭を悩ませ続けた日々を想えば何ということはない。 さて。 セイバー……いや、ローランは女神アテナと最期に刃を交わし、満足気に英霊の座に帰った。 元々、私は願いのある身ではなかったし、あれでよかったのだろう。少しもったいない気もするが、切実な願いを退けてまで私の欲を優先することもあるまい。そもそも、そんなことをしていたらセイバーに反対されたと思うが。 自分でも、よく生き残れたものだと思う。同盟者に恵まれたと言えばそれまでだが、それ以上にセイバーの存在が大きい。彼の背に守らていた時は、要塞に守られているような安心感すら感じた。 だからこそ……私は、私のできる事を、手段を択ばずに行えたのだろう。 ……きっと彼は気付いていたけど、見逃してくれたのかもしれない。 彼は言っていた。「僕ら聖騎士は正義の味方ではなく、悪の敵だ」と。 私がもし、あのまま……いや、何も言うまい。 私と、セイバーの目的は果たしたのだから。 それだけ……ただ、それだけの事……。 〆零史@エルトラスト:【グッドエンド】零史@エルトラスト:——さて、ひとつ僕の話をしよう。零史@エルトラスト:僕の名は、エルトラスト改めアーロン・ユルキアイネンⅡ世。 戦争の途中、アヴェンジャーに命を奪われたマスターに代わり、僕が襲名した。 そして僕らは、アヴェンジャーを打ち倒し、聖杯戦争に勝利し、願いを果たした。 聖女様と共に生きるために、彼女に受肉を果たしてもらった。 後は、僕の肉体を人間とする事だけ。零史@エルトラスト:……そう思っていたんだがね。零史@エルトラスト:かつての僕のマスター、アーロン・ユルキアイネンは、魔術師として、 ある物を残していた。零史@エルトラスト:一つは、僕と同じホムンクルス……つまり僕の弟や妹達。 これがまた多数いる。使い捨ての消耗品だから、数を多く作っていたのだろう。 この維持費。これが馬鹿にならない。 彼らにだって命はある。意思はある。死んでほしくなんてないからな。 二つ目。この戦い、番組として放送していたものだから、 視聴者の金持ちへの根回し。聖杯戦争の後片付けは僕がしないといけない。 主にアヴェンジャーなどが暴れた被害者への対応などだ。 まあ、これは襲名した時にやらねばならない事と決めていたが。零史@エルトラスト:この二つの対応をしながら、僕は今、聖女様と毎日頭を悩ませている。 いざとなったら、葵に助けを求めるかもしれないな…… 他にも色々と立ち向かわなくちゃいけないことは沢山ある。 キャスターのマスターとかもまだ生きているからな。 また、戦うことになるかもしれない。零史@エルトラスト:けど、僕は今、幸せだ。 大切な人と一緒に、同じ時を生きていく事が出来る。一緒に進んでいく事が出来る。 ああ——それはなんて待ち遠しい、希望に満ちた——零史@エルトラスト:〆A.J.@監督役トニー:【アルティナ・ED】 崩れてしまった教会の一画に地下室の入口がある。 幸い多少の瓦礫が落ちているのみで私の力でも動かすことができる。 そこにはマスター、アーロン様の魔術工房がある。 とはいえ、あの方はもともと多くの荷物を持たないから、旅行鞄2つ程度で済んでしまう。A.J.@監督役トニー:荷物を片付けながら思う。 私はエルトラストお兄様のように戦闘用に造られたホムンクルスではないから、 出て行ったところであの時マスターを助け出すことはできなかっただろう。 護身術程度の魔術は使えるが、それでも暴走状態に陥ったアヴェンジャーが相手では時間稼ぎにもなるまい。 マスターからもそう指示を受け、私はマスターが運営を行えなくなってから隠れるように代行していた。A.J.@監督役トニー:マスターからの指示だった。時間稼ぎも出来ない。 マスターがそう言うなら間違いないだろう。 しかし。それでも。私はマスターを助けに出るべきだったのではないか。 誰に何と言われようと私の造物主だった。 ろくなことは出来なかったかもしれないが、それでも隠れていただけよりも、何かが違ったのではないか。 作業をしながらもそのことが頭を離れない。A.J.@監督役トニー:ならば私が今後どうするべきなのか。 マスターの後を追う? いや、そんなことは望まないだろう。 マスターは合理的な人だった。 無駄なことは一切やらない。必要最小限のことだけをやる方だった。 であれば、私がこうして生き延びるのは無駄なことではないとの判断なのだろう。 あるいは――A.J.@監督役トニー:「……私を助けてくださったのは、私が娘だったからですか?」A.J.@監督役トニー:否定していた親子の情。非合理な感情だと常々仰っていた。 しかし、荷物の一つ、机の上に置かれた、普段の角度からは見えなかった写真立て。 まだ赤子だった私とエルトラスト兄様を抱いたその写真は、どこか微笑んでいるようにも見えたというのは、勝手な考えだろうか。A.J.@監督役トニー:非合理な、私の願望はさておき、私にはまだやらなければならないことがある。 一人でも多くの人に、絶望的だった渇望、届かぬ願いに手が届くかもしれない可能性を。 そのための聖杯戦争なのだ。 マスターが亡くなってしまったことで既存の手段は使えなくなってしまったが、何とかなるだろう。A.J.@監督役トニー:なにせ、マスターの編み出した聖杯の創り方は、私の頭の中に入っているのだから。 半ば機械になってしまったマスターの心臓をそっと箱にしまい、鞄に入れた。A.J.@監督役トニー:【完】←前|次→ 1日目 |01SB聖杯戦争OP |01メイン |0101教会 |0101住宅街 |0101霊地| 2日目 |0102教会 |0102住宅街 |0102霊地| 3日目 |0103教会 |0103霊地| ※申し訳ない、この日だけログ保存形式を間違えたため記事内にリンクがありません…! 4日目 |0104学園 |0104住宅街| 5日目 |0105学園 |0105霊地| 6日目 |0106住宅街| 7日目 |0107霊地| 8日目 |0108教会| 9日目 |0109霊地 |0109教会| 10日目(最終日) |0110霊地 |01SB聖杯戦争ED |01ネタバラシ回|
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みみぴい@らぶか:聖杯戦争から数か月。 残りの時間を勉強に費やした。隣に居るのが先輩ではなく聖杯戦争で知り合った汚いおっさんというのが心に刺さる。 それもこれもアーチャーが敗北したせいだ。受験勉強の発散混じりにぶっ飛ばしたいがかなわないだろう 娘が何をしていたかなど知る由もない母親はのんきに茶菓子など手土産に持たせたりする それからまあ、『身の丈にあった大学』というやつに合格した 先輩の大学となるべく近い区域の場所を選んだつもりだ。 通り道で会えればラッキーだが未だ顔を合わせたことがない。 入学した大学の図書館は本が豊富でそれが唯一救いか。 高校の時のように魔術書なんか混ざっていないだろうか そう思って古書を見つけては手に取っている。サークルにもこれといって置いてありそうな場所がない そうだ。オカ研サークルを設立しよう 私と同じオカルト好きが集まればチャンスはめぐってくるはずだ。 きっかけとなったあの本も運命的にオカ研の神棚に置かれてあったのだから可能性はゼロじゃない。 そして参加権を手に入れた暁にもう一度参加するのだ あの聖杯戦争に。今度こそ 先輩、まっててくださいね!!みみぴい@らぶか:らぶかエンディング GOOD?END零史@有栖:キャスター陣営 BADEND零史@有栖:あの時……先生の宝具は、実は私にも被害を及ぼす無差別攻撃だ。 当然私にも地獄が降りかかった。 悠久の生物史、延いては地球46億年の記憶を遡り、戦争、殺戮、生存競争、自然淘汰、遍く生命の醜さ。 この世で生きる事の地獄がこの頭にあるというのなら、それを壊すのは当然だ。 それに、視覚的ダメージもある種奴らに入るだろう。 では、お先にこんな地獄の世界を旅立つとしよう。 ——呪い、ここに成立す。零史@有栖:〆バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん: バーサーク雁夜おじさん:「おっすじじい、帰ったぞ」バーサーク雁夜おじさん:「あ? 生きとったのか雁夜。その辺で野垂れ死んでるものかと……で、戦果の程はどうじゃ」バーサーク雁夜おじさん:「おう、聞いて驚け。俺のバーサーカーは達成値95を出して最強のサーヴァントになったんだぜ!」バーサーク雁夜おじさん:「お、おう……??? で、聖杯は?」バーサーク雁夜おじさん:「ないよ。敗退したから」バーサーク雁夜おじさん:「はァ!? 特性の令呪まで持ってっておいて何やってんの!?」バーサーク雁夜おじさん:「ああ、あの令呪はありがたく使わせてもらったよ、ランスロットのクアンタム・バーストにな! 79ダメージ通ったぜ!!!」バーサーク雁夜おじさん:「おま、はァー!!!???」バーサーク雁夜おじさん:「あ、そうそう。後ちょっと土地貸して。尋ねてくるかもしれない子がいるから。死ぬほど余ってんだろ不動産」バーサーク雁夜おじさん:「そう言いつつ既に棚を漁り始めるんじゃあない! 整理してるのわしだから! アー! 書類をぶちまけるなアホ息子!」バーサーク雁夜おじさん:そんなこんな電波の入ったおじさんの聖杯戦争はそこそこ満足する形で終わったのではあるまいか。 後始末? そんなものは知らない。強いて言うなら同盟を組んだ彼女が頼ってきた時のために準備しておくくらいである。 雁夜おじさんとランスロットの聖杯最強伝説・完。バーサーク雁夜おじさん:@トニー@GM:-御来屋椿 エンディング-トニー@GM:空が青く澄み渡り本日は晴天なりや。 週の巡る事も無く、聖杯を巡る戦は終わりを告げた。 いとしき子犬も星と消え、ぬくもりばかりが空虚に溶ける。トニー@GM:「ほ、本日はお日柄もよく…?否否!違う、先ずは世話に成った事を…」 哀愁とはまた別とし、訪ねたるは間桐様が屋敷であった。 何時でも頼っても良いと申されたが、我が身は天涯孤独なれば。 まして魔術師の家系であり、彼の人は其れ(魔術師といふもの)をあまり良く思ってなかったように思う。トニー@GM:されどされどと頼るる宛が他にある由もなし。 斯うして門前にて、立ち尽くすのであった。 無理矢理舞台装置を発動させた代償に義腕は軋んだ音をたてたが動かぬ訳ではない。トニー@GM:「め、飯炊きでも…雑用であれど下働きであれど何でも従いますゆえどうか…」 物々と呟き、どうすべくかと悩み、ああでもないこうでもないと繰る繰る思考を巡らせる。 頭上にあの無邪気な仔犬とちかちかした星々が回っているような感覚。 けして多くない荷物には揃いだった帽子が積まれている。トニー@GM:ふと想起されるはあの時の言葉。 「そんなに深く考える事も無いんじゃないかな」 ほうと息をついた。繰る繰る詰まった思考が晴れていくようだった。 然うだ、此処で立ち尽くしている事では事態は動いてはくれぬ。トニー@GM:一先ず門を叩き、それから、また考えて——— 「あれ、御来屋さん?」 ———背後から声がかけられて、思わず身体を大きく揺らす。 観れば御本人が首を傾げて立っている。流石に不意打ちであった。 かああと顔に熱が集まり深く考えるどころか思考自体が再度停止する。トニー@GM:「つ、つ、つ————!!!」 月が綺麗ですね。と、沸騰する頭のままに口に出した。 本日は晴天なりや、お天道様が燦々と輝いておられた。 嗚呼、何と言うか、———遣ってしまった。 何処かで、わひゃんと、間抜けな声で野良犬が鳴いた。トニー@GM:@RE=IN@定晴:結局、聖杯戦争を生き残ったくらいで両親の無関心は変わらなかった。 触媒として持ちだした木刀の欠片について、少し罰を受けた程度。 罰を与える時間も、自分の研究には無駄だと判断されたんだろう。当初は1週間の謹慎と言われていたが、3日目には何も言われなくなった。 そして、柊さんの所へ行くことも同じ。たった一言、「好きにしろ」と言われただけだ。 「……よし、確認完了」 旅の支度を整え、出発の時。持ち物を再確認して、家の敷地を出る。 今頃、両親は地下室で研究をしている所だろう。当然、見送りなんてものはない。 けど、次に会う時は——きっと、「よくやった」と言ってくれる。そう思えば、むしろ今から嬉しいくらいだ。 「……いってきます」 返事はない。だが、それでいい。 さようなら、また会う日まで。RE=IN@定晴:@たかみち@ニノマエ:「…世には向き不向きというものがあるな」 花立てに水を入れながら男はぽつりとつぶやいた。 ——ここ数年、彼には色々とあった。 学生の受験勉強を隣で眺めていたがほぼ全てが記憶から流れ落ち、 これは自身の体質の問題だったらしいがまた別の若者が魔術の鍛錬をしているところに 折悪く居合わせ思わぬところで死線を彷徨った。 あの妙にやりきった顔でいつかの戦場を去った白髪の彼のようにするりと人の輪をつなげることもできないのも改めて実証されたなと、男は一人苦笑いを浮かべた。たかみち@ニノマエ:「俺はやはり戦にしか能がなかったようだ」 男はそれ以降黙々と花を飾り、線香に火をつけ、手でその火を消す。 ——そんな自分を師と呼び、一週間にも満たない戦場を共に駆けた「弟子」のことを彼は思い起こす。 自身の名前負けを気にし、察されてはいたが途中まで自ら名乗りをあげようとしなかった彼の願いを、師としてやはり叶えてやるべきだったろうか。 …いや、彼が最後に見せたあの満足げな笑みが全てだ。万一次に会う事があったとしたら、もう彼の事を気安く弟子とは呼べないだろう。嬉しいような寂しいような、奇妙な感覚を男は覚える。たかみち@ニノマエ:「……」 静かに水をかけ、合掌。たかみち@ニノマエ:「…次はしばらく先になる。先日遺跡調査ついでに叩いた雑魚共の掃討戦だ。場合によっては大捕り物にもなるかもしれん」 短い黙祷を終えた男は立ち上がり、煙草を取り出し火をつけた。たかみち@ニノマエ:——柊聖十郎。戦場で手を組み、男が願いを譲った同盟相手。 非常に頭の切れる男である彼と一時人の域を超えるまでの剣技を持った男は、戦場の時さながらに今も行動を続けまた別の戦争の真っただ中にいる。 悲願の自信の病の完治を果たした彼のやりたい事のひとつであるとある組織の撲滅はいまだ先が長く、男ももう髪にいくつか白いものが見えるようになってきてしまったが、不思議と焦りはない。 渇望し続けた戦。自身を動かす指し手。そして何より、生の実感と喜び。 男が彼に願いを与えたように彼もまた男に多くを齎した。その間柄は戦友と言っても差支えはないだろうが、将と駒で十分と男は結論付けている。たかみち@ニノマエ:「…あぁ、紫苑。俺は今、生きている」たかみち@ニノマエ:丁寧に掃除された墓の花立ての中で、男を送り出すように「思い出」はふわりと風にそよいだ。たかみち@ニノマエ:@柊聖十郎@ゼロサキ:ランサー陣営 エンディング 聖杯戦争から数か月後、日本のとある街。 そこにあるとある屋敷の書斎、壁には一面本が収められ、部屋の真ん中には大きな机がある。 机には大量の書類があり、そこで一人の男が鬼の形相で書類を纏めていた。 柊「えーい!研究書類のまとめが終わらん!何故うちの連中は書類を纏める事が出来んのだ!」 柊「馬鹿弟子に書類のまとめ方でも仕込むか・・・今は邯鄲に落としているし・・・」 柊「ニノマエも少しはそこら辺覚えろというに・・・」 柊「さて、インスマスは調べ終わった。黄泉平坂も行けるところまではいった。次はアーカムだったか。」 その時、胸ポケットの携帯が鳴った。相手は非表示になっていた。 柊「誰だ?下らん用事だったら直ぐに死ね。」 ???「おや酷い。せっかく心配して電話をしてあげたのにその反応ですか?柊さん。」 柊「・・・貴様から連絡が来るとは思わなかった。何の様だ?ハザマ」 ハザマ「いえいえ、無事戦争も終わったのに、こちらに戻る気配がないので連絡してみたんですよ。」 柊「ふん、下らん演技はするな。あの戦争を貴様らは全て見ていたのだろう?なら俺がやろうとしていることも知っているはずだ。」 ハザマ「やっぱり本気でした?私たちと戦争をするの。」 柊「当然だ。貴様らを野放しにしておくと、俺の研究材料が減るだろうが。どうせあの戦争の少し後に街が一つ吹き飛んだのも貴様らだろう?」 ハザマ「正確には、魔王(バカ)があなたの宣戦布告を聞いてテンションを抑えきれず、つい吹き飛ばしたそうですよ?」 柊「あの塵に言っておけ。俺が殺すまで暫く大人しくしろとな。」 ハザマ「無理言わないで下さいよ。あれが言葉一つで止まるわけないでしょう?」 柊「知った事かよ。まぁ暫くは駒を集める作業があるのでな。戦争はしばらく後だ。精々楽しみにしておけ。」 ハザマ「もちろん楽しみにしていますよ?勝とうが負けようが・・・ね?この下らない世界で、精々楽しく遊びましょう?」 柊「この世界は俺のものだ。貴様ら風情が遊ぶには上等すぎるわ阿呆が。」 ハザマ「ふふ、では、今日はこの辺りで・・・あ、そうそう、一ついい情報をあげましょう。」 柊「なんだ?下らん内容なら死ね。」 ハザマ「いえいえ、先ほどの魔王(バカ)がですね?ハイテンションでアーカムに先ほど向かいました。早くしないと、 街が神話生物とバカで吹き飛ぶんじゃないです?ではまた。」ブチ、ツー、ツー、ツー ハザマ「・・・貴様あああああああああああああああ!この屑があああああああああああああああ!」 ハザマ「せっかくの研究材料が放射能に侵された瓦礫の山になる!ふざけるなあああああああああ!」 ハザマ「ニノマエえええええええ!あの馬鹿弟子を邯鄲から引っ張り出せ!すぐにアメリカに行くぞ!戦闘の準備もしておけ!」 バタバタと部屋を飛び出していく。 机の上には、ひとつ書きかけの書類が残っている。 王宮道化師(ジェスター)戦争 現在の仲間 ・ニノマエ ・定晴 END @トニー@GM:【エンディング】トニー@GM:たった5日間だったが、濃密な5日間だった。トニー@GM:私に宿った英霊、ルーラーの大岡殿は、自身を維持できる魔力がなくなるまでの間、部下達とともに修復に奔走してくれていたため、大岡殿が帰られたあと私がすべきことはほぼないに等しかった。 最もあれだけの強力な魔術師、英霊たちが集まったにも関わらず土地や住民たちへの被害もなく、多少の修復作業だけで済む、僥倖といえるほどのものだったので、どちらにせよ私の仕事はほとんどなかったとも言えるのだが。トニー@GM:今思い出しても、大岡殿がただの一度も刀を振るうことなく(口を出すことはあったが)終えられたことが奇跡のようだ。 めぐり合わせによっては未曾有の大災厄が起こっていてもおかしくなかっただろうに。 あるいは勝者の叶えようとする願いの如何によっては地獄になることもあり得た。 だがそのどちらも起こらず、街への被害は戦闘の後による路面、建築物などの多少の損害のみで、無関係の一般人への被害は怪我人の一人、目撃者すらいなかった。トニー@GM:今回の聖杯戦争の勝者である二組も、善行の類を成すと大岡殿に言っていた。 忌々しげに吐き捨てる様子ではあったが、どことなく信じてみてもよいかと思える。 でなければあの大岡殿が『武運を祈る』などとは言うまい。トニー@GM:しかし、自ら参加したが故の自己責任であるとはいえ、一人の少女を死なせてしまったことだけが無念である。 表情に出ぬ御仁ではあったが、大岡殿もそこをいたく気に病まれていたようであの少女を手厚く葬るよう指示を出しておられた。トニー@GM:あの少女の願いは世界平和、だったか。 多少言動が危うく、彼女の思うそれと私の思うそれが同じものだという保証はないが。 せめてこの老骨が少しでもその世界平和に近付けるよう、できることをするのは多少なりと弔いになるだろうか。老いぼれの勝手な思い込みかも知れないが。トニー@GM:@←前|次→ 1日目 |02KK聖杯戦争OP |02メイン |0201霊地 |0201学園| 2日目 |0202海岸 |0202学園| 3日目 |0203霊地| 4日目 |0204霊地 |0204霊地02 |0204霊地03 |0204霊地04 |0204霊地5 | 5日目(最終日) |0205霊地 |02聖杯戦争ED |02ネタバラシ回|
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このシステムについて ●目的 第四次、第五次のような聖杯戦争を行う ●基本勝利条件 他陣営のサーヴァントを全て倒す 交流とかロマンスとかは二の次のPvPシステムです。 マスターとサーヴァントの間にのみ、交流を推奨するシステム【絆】を採用。 他陣営との同盟や裏切りを図りつつ、同陣営内でも裏切りが可能となっております。 基本的にCoCをやっている人間が調整しているので数値面がガバガバです。悪しからず。
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ポロリ、と。 スノーフィールドの郊外に存在する砂漠地帯。 そこに黒い破片が転がった。 黒曜石の欠片にも見えるそれは、超弩級の呪詛の塊であり、周囲の砂を浸食し黒く染め始める。 原型生物のように蠢く黒い砂は広がり小型生物達が喰われ、いつからか蟻地獄のごとき流砂が生じていた。 黒い欠片────冬木の汚染された黒き聖杯、第四次聖杯戦争の残滓がスノーフィールドに牙を剥く。 それ自体がこの世、すべての悪という願望であるため聖杯戦争の参加者として認められた。 聖杯戦争のマスターとしてふさわしくあるために、それは肉体(うつわ)を生成する。 これは破片といえど魔力(ナカミ)が詰まっていた小聖杯。その魔術回路は“実現可能な範囲ならば過程を無視して叶える”ことに特化している。 肉体の鋳造など造作もない。 ◆ 砂から一人の裸体が現れる。肌は雪のように白く、年齢は二十代前半。 黒い砂が肌を隠すようにまきつき、衣服へと変貌する。 豊満な胸の間には白いカードが挟まれていた。 「ふむ、前の器はこんなものか。」 かつてアイリスフィール・フォン・アインツベルンと呼ばれたホムンクルスそっくりの女がそこにいた。 既に本人の意志は無く、ただ砂から鋳造した肉体に堕ちた聖杯が乗り移っただけのこと。 手を前に翳し、たった一言。 「来たれ」 聖杯である彼女はそれだけで目当てのサーヴァントを召喚する。 手の影から暗雲が生まれる。彼女が握ってしまえば潰れてなくなりそうなコレこそ世界を滅ぼしうる彼女の現身。 ────人の願望を叶える悪性であり全人類の欲望を叶える結果、ヒトを皆殺しにする悪魔。 ────今はまだ養分が足りないため小さいが、時間の経過と共に巨大化する大災害! 小さな暗雲が、大きな暗雲となり、肉体を取り戻して世界を滅ぼすであろうサーヴァント。その真名を『ユリス』という。 ◆ ユリスの生まれた世界は、この世界と決して交わらぬ遥か可能性宇宙の彼方にあった。 そこでは二つの種族が争い、世界中で負の感情が満ちていた。募りに募った負の思念から生まれたモノこそ怪物ユリス。 彼/彼女は人類の負の感情より生まれ、産みの親の欲望を叶えるために現れる。 その欲望とは憎悪、嫉妬、悲壮、恐怖、強欲、憤怒など数多の他者へ向ける〝変容を強要するモノ〟 ユリスの叶える欲望とはつまり────今ある世界を否定して新たな都合のいい世界が出来てしまえという負の感情(モノ)。 故にユリスの叶える結果は『自滅』だ。あらゆる限界を超越して願いを叶えるモノなど人の悪性をおいて他にない。 しかし、この世すべての人の悪性に人は耐えられず自滅する。 残るのは生まれ変わった世界、人類史の残滓が蠢く暗黒の天体である。 ────以上の権能によりユリスのクラスは確定した。 万能の願望器などとは偽りの器。 其は人類が生んだ、人類史の最も業深さを表した大災害。 名をビーストR(リバース)。〝再誕〟の理を持つ獣の名である。 (人でありながら世界や他者に都合の良い変容を望む。それこそがユリスの獣性である) ◆ ユリスが誕生すれば世界を守る六騎の聖獣と一騎の聖獣王によってそれは鎮められる。 しかし、その後も残り続け、人の世を乱し続け再び誕生の時を待つのだ。 一度目の顕現では完全体になる前に聖獣王に封印された。 人を唆して封印を破き第二の顕現を為すも聖獣の力を持った英雄達に打ち倒された。 此度は三度目。聖獣の力が届かぬこの地で、再び悪神は渦動する。 【サーヴァント】 【クラス】 キャスター → ビースト(第三形態以降) 【真名】 ユリス@テイルズ・オブ・リバース 【属性】 混沌・悪 【パラメーター】 第一形態(小暗雲) 筋力:E- 耐久:D 敏捷:E 魔力:B 幸運:A 宝具:A++ 第二形態(大暗雲) 筋力:E- 耐久:D+ 敏捷:D 魔力:A 幸運:A 宝具:A++ 第三形態(災いの獣) 筋力:A 耐久:A 敏捷:D 魔力:A++ 幸運:A 宝具:A++ 【クラススキル】 陣地作成:EX 魔術師としての工房を生成するスキル。 ユリスの場合は『ユリスの領域』になる。 道具作成:- 手足が無いため道具を作る能力は無い。 単独顕現:B 第三形態時に得るスキル。 単体で現世に現れることが確定するスキル。 即死攻撃、時間操作による因果律の書き換えを無効化する。 【保有スキル】 魔眼:C 持っている魔眼のランク。 ユリスの場合、魔眼「ユリスアイ」を口から吐き出す。 ユリスアイは自ら魔力を生成し、高度な魔術を行使する自律兵器と化す。 とはいってもあくまで使い魔程度。サーヴァントに対抗できるものではない。 魔術:A 莫大な魔力を稲妻や炎、第三形態では陣地内限定かつ部分的に複数の固有結界すら発動可能。 ユリスは無数の悪心から生まれた故に自己の心象風景は無い。 母胎となった数多の悪心をユリスの領域内部で保管し、使うことができる。 ネガ・リバース:A 第三形態時に使用可能なスキル。 ヒト(ここでは知性を有した者全てを示す)の英霊に対する耐性を持つ。 必然的に聖杯戦争では抑止力以外に対して有利となる。 【宝具】 『大空に邪なる心が満つる時』(リバース) ランク:A++ 種別:対心宝具 レンジ:聖杯戦争の舞台全て 最大捕捉:ヒト全て ユリスの思念を飛ばす。参加者、NPCに問わず人の持つ憎しみや妬みといった負の感情を増幅させ人々を争わせることで負の思念を増やす。 『災いの獣、降り立ち、大地に破滅をもたらす』(ユリス) ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:??? 最大捕捉:??? ユリスの肉体の顕現。 世界に一定以上の負の感情が集まった時に発動可能。 災いの獣ユリスが顕現する第三形態。 霊基がキャスターから人類悪(ビースト)に変更され一部のステータスが大幅に上昇する。 『ユリスの領域』 ランク:E→A→A++ 種別:対軍 → 対国 →対界宝具 レンジ:??? 最大捕捉:??? ユリスの領域と呼ばれる領域を世界の上に置く宝具。常時発動。 世界中の負の感情を蓄積し、蓄積した量に比例して領域を広げ、果ては世界が塗り替えられる否想天。魔術理論・世界卵そのものである。 ユリスの領域内はできかけの大地や宮殿が列び、マスター同様に黒い聖杯の内部にいるようなもの。 聖杯であるマスター以外の侵入者は負の感情によるプレッシャーをかけられ極大の呪詛によって破滅する。 ただしAランク以上の精神耐性を持つサーヴァントには無効。 【weapon】 人々を唆す虚言、集めた負の感情を魔力に変えての魔力放出など 肉体を顕現させた後はそれらを槍のように尖らせて刺す。 【人物背景】 テイルズ・オブ・リバースよりラスボス。 世界に負の感情が満ちた時に姿に現す大敵。ヒトから生まれる一つの終焉。 欲望とは世界をより良き方向へと変えたい希望であると同時にそのためならば今の秩序を否定する人の業である。 ユリスはそういった欲望や感情の負の面より生じる終わりの貌の一つにすぎない。 ユリス自体を誕生・復活させないためにはユリスを封印し、ヒトを滅ぼす他にない。 聖獣王ゲオルギアス曰く『世界を殺す剣、万物の敵、破滅のもの』 【サーヴァントとしての願い】 固有の自我は無いが叶えるべき願望はある。 自分を生んだ霊長の願い、すなわち人の破滅を叶えたい。 【マスター】 黒き聖杯 【マスターとしての願い】 願望の成就 【weapon】 泥による呪詛 【能力・技能】 小聖杯として実現可能な範囲の願望ならば仮定をすっ飛ばして叶える能力を持っている。 また無尽蔵に等しき魔力を持ち、彼女単体でもサーヴァントに対抗しうる。 【人物背景】 冬木市の第四次聖杯戦争にて破壊された聖杯の破片。 アンリマユという願望を有したために“全人類を殺す”という呪いに汚染されている。 錬金術における人間の定義として精神・肉体・魂の三要素を有し、更にはこの世、すべての悪という願望を持つため参加者として認められた。 形成した肉体は破壊された時の聖杯の器『アイリスフィール・フォン・アインツベルン』のものを模造した。 【方針】 ユリスを顕現させ聖杯を獲得し、今度こそ誕生する。
https://w.atwiki.jp/tetrismonster/pages/1196.html
聖杯 ver.2.5 から登場したパワーUP合成における専用アイテム。分類上はモンスターであるが、パーティメンバーとするプレイヤーはほぼいない。 各聖杯は聖杯自身と同じランクのモンスターにのみ使用できる。 パワーUP合成は同一のモンスター同士でも行えるので、複数手に入れにくいモンスターに対して使用すべきか。 また、★6の「英雄の聖杯」は使用するタイミングが少ないため、売ってしまうのも一つの手であろう。 これ以降、イベントでドロップするもののなかにこいつらが加わるようになった。 一覧 icon 属性 名前 レア 売却値 貰える聖杯のかけら 全 英雄の聖杯 ★6 1000 1 全 大いなる聖杯 ★7 1000 3 全 神秘の聖杯 ★8 1000 8 全 伝説の聖杯 ★9 1000 20 全 究極の聖杯 ★10 1000 ? このページの意見、情報提供、反論、感想などあればコメントどうぞ 貰える聖杯のかけら ☆6は3個、☆7は9個、☆8は24個、☆9は60個、☆10は240個ですよ、今は -- ゾーイ (2015-10-05 19 34 01) 名前 コメント
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東京都北区にある警察署。 本来は、事件が発生した葛飾区の警察署に向かうべきだろうが、露出狂・松野カラ松は近所の方に移動していた。 事情聴取は手短に行われて、牢へ案内されたきりである。 案外、呆気ない聴取に感じられたが、警察は露出狂よりも刺青男の方に意識を集中させたいのだ。 一応、キチンと順を追って説明していけば、警察の方も簡易的だが、カラ松の話を聞いてくれる。 故意に全裸で出向いた訳ではなく。改造車の暴走によって巻き起こった事故。 カラ松は対面できないものの。 デカパン博士による改造車のメンテナンス不備によるものだと、兄弟達が熱く主張してくれたお陰もある。 (おそ松兄弟達としては、身内に犯罪者が出るのを避けたい一心による援護なのだが) カラ松は、改めて兄弟の無事と有難さに感動を抱いていた。 しかし、カラ松の恰好は情けないままだ。 流石に警察の方から服を一式貸し出して貰える。 カラ松のサーヴァント・アサシン(明)のコートも一旦押収されてしまったが。 まぁ……サーヴァントの衣服なので、後で回収は簡単だろう。 社会的に終わりのような光景だが、牢屋の中にいれば他の主従に捕捉や。 刺青男たちとも邂逅は果たせないだろう。だが……カラ松ガールこと二宮飛鳥とその燕尾服のアサシンには 非常に申し訳なく感じる。折角彼らのお陰で一度は警察から逃れたと云うのに…… そこで一息ついたカラ松に、念話が聞こえた。 『マスター。事情は燕尾服のアサシンから聞いている』 (うおっ!? あ、アサシン……そうか。つまり、カラ松ガールが教えてくれたのか) 『……良い知らせと悪い知らせ、どっちから話した方がいい?』 まるで良くできた映画やドラマのワンシーンのような台詞だ。 カラ松は、リアクションを大きく顔に出さず、牢を監視する警察官を様子見しつつ。 何とか平静に受け答えする。 (そ……そうだな。良い知らせから頼む) 『まず、俺と燕尾服のアサシン……他にもランサーが一時的に共闘したお陰もあって、キャスターを一騎倒した。 さらに加えるなら、セイバーも一騎倒れた………』 (で、でかしたぞ! アサシン!! 流石はマイ・サーヴァント……) 『……次に、悪い知らせだが』 (ちょっ、ストーーーーップ! Hey、アサシン! 少しは勝利の余韻を残すべきだろう!) 相変わらずのカラ松の様子に明は呆れをしたが、同時に少し安堵もしていた。 事実上、偽りの社会とはいえ警察に逮捕され、家も失い、途方に暮れ。精神的に追い詰められた筈。 どこかしら、カラ松の精神が強いのか。 あるいは――偽りであれ兄弟たちのお陰もあってだろう。 けれども。残酷な事実を明は伝えなければならない。 (………マスター……!?) 『あァ。だが、サーヴァントのセイバーは……いない。燕尾服のアサシンが倒した。 さっき倒れた「セイバー」というのが、トド松のセイバーだ』 まさか。 否、そういう可能性は高かった。 トド松から漂っていたクソ松臭に間違いはなかったのが証明されたが、カラ松はしばし呆然とし。 (待て。アサシン……その、あれだ。経緯を教えて欲しいんだが。 燕尾服のアサシンは、トッティとは会ったのか? 俺と顔が似ているし、兄弟だと思わない訳が無い) 『分かってはいた。それを踏まえた上で、セイバーと同盟を交渉したが 決裂したと燕尾服のアサシンは言う。………だから殺した。とな………』 (……い、いや………その………なんだ………) カラ松は何と反論すればいいのか、答えが見つからない。 ただ。全然納得が出来ない。しろというのが難しい話だろう。 もう少し、話し合って……カラ松の存在を仄めかして、どうにか同盟に持ち込めればまだ…… だが――過ぎ去った事象でしかない。 カラ松の態度に、明は続けた。 『それでいい』 (どういう意味だ?) 『俺も燕尾服のアサシンは信用しちゃいない。お前も完全に信用せず、そのままで居てくれ』 (……OK。アサシンの意思と俺のガイヤが共鳴したなら、間違いはない) 痛々しいカラ松の去勢だが、明と思いが一致したならそれは悪くない。 不思議と奇妙な部分でしっかりするカラ松に対し、明は続ける。 『まず、今の内に燕尾服のアサシンと対抗できるサーヴァントと同盟をしたい』 (ナイスアイディアだが、それこそノープラン……だろ?) 『……一応アテはある』 (す、凄ェ!! 仕事が早いぞ、アサシン!) 『最終的な決断はマスター。お前に任せる。勿論、お前が駄目だと拒否すれば、そいつと同盟はしない』 カラ松も、トド松のサーヴァント・セイバーに手をかけた燕尾服のアサシンに思うところがある。 燕尾服のアサシン。彼の能力を把握しているからこそ、脅威だとカラ松自身理解していた。 故に。 明の提案には是非とも乗りたい場面だった。 (――で? 同盟相手は、どのようなカラ松ガールズだ?) 『刺青男――と、行動している人喰いのバーサーカーだ』 カラ松はキザ顔を浮かべたまま、卒倒しそうになった。 ○ 東京都千代田区。とある警察署。 そこはテロに関与されていると思しき人物・松野トド松が、事情聴取を受けている場所であった。 聖杯戦争のマスターという肩書に置いては、確かに刺青男とは無関係ではない。 しかし、刺青男とトド松は同盟を組んでいないどころか。出会ってすらいないのだ。 大体……流石のトド松も、聴取する警察に反論するのだ。 「確かに、僕はセイバーちゃんとは知り合いです! でも、あんな女の子が殺人とか爆発だとか……そんな事すると思ってるんですか!? 常識的に考えて見て下さいよ! 皆さん、本当に警察の方なんですよね!? 根拠のない目撃情報だけで勝手に決め付けないで欲しいです! そんなんだから冤罪が出て来るんですよ!」 ハタから見れば、トド松の言い分は至極正論である。 確かに、トド松がセイバーと呼ぶ少女はあまりに幼い。テロとは無関係の存在だ。 少年兵(少女兵と称するべきか)などにも当てはまらない。不自然な目撃談なのだ。 セイバーが警視庁内の爆破事件に関与しているのはともかく……松野トド松は重要参考人に変わりない。 「なら……彼女とはどこで知り合った?」 「え、あ、えっと……近所で」 聖杯戦争なんて警察に説明したって信じて貰えない。 だから、トド松も頑なに口を閉ざした。 何より……自分が聖杯戦争のマスターだと知られれば……警察に捕らわれている以上、逃げも隠れもできない。 牢屋の中が安全なんて、間違いである。 助けを求められないし……昼間、トド松がバイト先から逃亡したような真似が繰り返せない。 第一。 世間はトド松をテロリスト扱いだ。何とか無実を晴らしたい。 「じゃあ、コイツらと無関係だってことか?」 「ニュースとかで見かけただけで、知り合いでも何でもないですよ! こ、こんな化物みたいな人達……」 警察が刺青男――アベル――の写真や、人喰いの梟、包帯男のアイザック。 彼らの姿をまじまじと目視してみればトド松は、体を震わせた。 考えれば考えるほど、彼らと共に行動する少女たちが哀れでならない。 皮肉にも、彼らを召喚してしまったが為に、振りまわされ続けている…… 「そのセイバーという少女は、どこへ向かったか心当たりは」 「わ、わかりません……あのままセイバーちゃんから引き離されてしまったので……むしろ探して欲しいくらいです」 トド松の受け答えに、やれやれといった態度の警察。 当然だ。 世間にはトド松はテロリストの一味という認識なのだ。誤認逮捕であれば、問題となる。 半ば強引に、虚偽の供述でも構わないからトド松に自白をさせるべきだと彼らは判断を下す。 このままでは、トド松が話すのは時間の問題だろう。 聖杯戦争について。 しかしながら、精神困憊の状態で吐きだしたトド松の証言を、後後語る神原駿河同様、鼻先で笑われるとは。 この時点でトド松は知るよしもないのだった。 彼は本心よりセイバーを心配している。 故に、彼女の行方を探したいだけなのに……どうしてこんな風に。 そのトド松の聴取を超人的な聴覚により盗聴していた男が一人。 先ほど、不審者として確保されていた平坂黄泉。 警察署の外から、事件のネタを集りに現れたマスコミに紛れて、彼はそこに存在していたものの。 覆面として被っていた紙袋を装備していない状態の為、逆に怪しまれる事がなかった。 「……ふむ」 聴取の内容。 そして、警察が尋問を続け、強引に自白をさせてしまおうとトド松の知らぬ場所で語っているのを聞いて。 正義である警察が、悪になった瞬間に平坂は酷く失望する。 無論。 トド松を悪ではないかと疑ってしまった平坂自身、責任を感じていた。 恐らく、トド松はセイバーに騙されていた。それが平坂の見解。 正解か否かはともかく。トド松は、ハッキリとセイバーを信用している。 あの現場でも、彼の態度に変わりは無かった。ならば……倒すべき悪はセイバー、ただ人い。 早速、平坂は行動を開始したいのだが、彼は先ほどからある存在の捜索を続けている。 幼女だ。 正確には、平坂のサーヴァントであるライダー。 彼女は魔力が回復するまで霊体化を続けているが、実は平坂の傍らに居る。 けれどもそれを知らない。平坂黄泉は、聖杯戦争を未だに把握出来ていないのだ。 幼女を守るべく、平坂は影ながら正義の味方として行動を続けている一方。 警察に一度捕まり、何故か警視庁内で気絶した(幼女がSCP-682を召喚した魔力消費によるもの)後。 どういう訳か、幼女がセイバーの前に現れ……戦った? 「おい! 待ってくれ……!!」 「ん?」 幼女の捜索を続ける為、移動していた平坂に何者かが声をかけてきた。 どこか声色は機械的で――足音も金属めいた……? もしや。平坂は一つ心当たりがあった。それは警察が口にしていた肢体が義肢である男。 テロリストの一味として、平坂の記憶にある。きっと相手はそれでは……!? 「私としたことが! お前は刺青男の仲間!!」 「ちょっ! 少し話を聞いて――――」 「私は正義のため、悪を倒す! とう!!」 平坂は生身で攻撃をしてきた。しかも―――サーヴァント相手に。 彼に話しかけてきたのは、マスターを失ったアーチャー・ロボひろしだった。 マスターの方が、サーヴァントのひろしに戦いを挑むのは想定外にもほどがある。 規格外の能力を持ったマスターなのか?! ひろしは、警戒しながら平坂の蹴りを簡単に避けた後。よいしょ、とのかけ声に合わせ平坂を捉えた。 呆気ないにもほどがある。明らかに可笑しいとひろしは思う。 一方の平坂は、酷く項垂れていた。 「ま……負けた。私は悪になったというのか………」 「お、おいおい……別に俺は戦いを挑んじゃいないだろ」 「しかし、あの刺青男の一味では」 「見てわかんねぇのかよ。ニュースにも取り上げられてねえだろ、俺は。それに、お前……サーヴァントはどうした?」 登場をしないサーヴァントに疑念を抱くひろし。 もしや平坂はサーヴァントを失ったマスター? だろうか。 僅かな希望を抱いたひろしへ、平坂は呆気ないほど、それでいて重要な事実を告げた。 「……サーヴァントなるものは存じないが、残念な事に私は『目が見えなくて』ね」 「…………なぁ!?」 ● 意識を取り戻した瞬間、カラ松は念話の中で叫ぶ。 (無理だ! 無理無理!! 何を考えている、アサシィィン!!) 『分かった。無理なら諦める』 (うっ……後気味悪い返事をしてくれるな。一体どういう気の迷いで、そんな相手と同盟を…… というか。つまり、刺青男と同盟を組む……そうじゃないのか[どっちも真っ平御免だが]) 『あくまで「人喰い」の方だけだ。理由はある。 一つはアサシンの能力が精神操作の類と分かった以上、対抗できる能力の例として「精神汚染」があげられる』 (せ……精神……あー、何となく察したぜ。頭がおかしい奴だろう?) 『……まァ、そんなところだ。俺も噂程度に奴ら(刺青男たち)の情報を仕入れていたが 「人喰い」は喋れたが、何を喋っているかは理解不能だったらしい』 (……あ、ああ? 待て、アサシン。喋れるなら、その、なんだ。狂人じゃなくないか??) 『「精神汚染」を持つ奴は喋れるが意思疎通は難しい……微妙だがそんな違いだ。それに、喋れるなら交渉の余地がある』 何より。 明が重要視しているのは『相性』である。 もう一つの理由。明が持つ宝具『丸太』と人喰いの梟の相性は良い点。優位に立ちまわれるのだ。 人喰いの梟は、明が戦いを繰り広げた吸血種ではないが。 性質は似通っている。『丸太』が通用する相手だと、明は察していた。 明も、一時的に吸血種と共闘をする場面が幾つもあったのだ。別に、梟相手で怯む事は無い。 即ち――倒す前提の同盟だ。 説明を聞いたカラ松ではあったが、悩む。当然だ。 恐らく、上手く交渉が成立するとは思えない。何より刺青男や他の仲間も居る中で? (刺青男はどうする?) 『何とか撒くか……少なくとも、奴は同盟なんて交渉に応じる相手じゃねェ』 それは人喰いの梟も同じだろう。 カラ松が反論したい思いを胸に収めて、刺青男をどうするかは差し引いて。 明が、梟との交渉に成功するかを考えた。 本人は自信があって、この同盟を提案しているのだろう。ならば、後はカラ松次第。 (……少し考えさせてくれ) 『あァ、なるべく早めに決断してくれ』 思案するカラ松の一方。 明は、トド松の様子を伺いに千代田区の警察署へ足を運んでいる。 事情聴取は今なお続けられている。いくらサーヴァントを失ったマスターとはいえ、どうにか話を持ちかけたいが。 警察を強引に気絶させるのは、止めた方が良いか…… まだ……この事を、伝えるべきじゃない。 カラ松の精神状態を見て、明は一旦トド松が「テロリストの一味」として逮捕された事実を伏せる。 わいせつ罪で聴取する警察も、カラ松にその件を伝えないだろう。 しかし、いつかは伝えなくては。 彼らは切っても切れぬ、兄弟の絆があるのだから…… 【三日目/夜間/北区 警察署】 【松野カラ松@おそ松さん】 [状態]魔力消費(小)、精神疲労(大) [令呪]残り3画 [装備]警察が容易してくれた簡易的な服 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:元の世界に戻る。 0:同盟に関しては……? 1:トド松がマスターだった事に動揺。 2:アサシン(曲識)に不信感。 [備考] 聖杯戦争の事を正確に把握しています。 バーサーカー(アベル)の存在を確認していますが、絶対に関わりたくないと思っています。 神隠しの物語に感染していません。 デカパン博士から『カラ松 A GO GO !』と共に外に走って行った姿を目撃されています。 Twitterで裸姿が晒されています。 二宮飛鳥&アサシンと同盟を結びました。 二宮飛鳥の連絡先を把握しました。 ランサー(ブリュンヒルデ)を確認しました。 自宅はアヴェンジャーによる火災で全焼したと思われます。 おそ松一行がカラ松と容姿が似ている為、葛飾区にて誤認確保されました。 現在、北区にある警察署の檻におります。 警察の監視下におかれている為、カラ松に異常が発生すれば即座に分かるでしょう。 飛鳥からの伝言とトド松がマスターであることを把握しました。 アサシン(曲識)をなるべく信用しないよう心がけます。 アサシン(宮本明)のコートなど所持品は警察に押収されました。 飛鳥の連絡先は記憶してあります。 【三日目/夜間/千代田区 警察署】 【松野トド松@おそ松さん】 [状態]魔力消費(大)、精神的疲労(大)、サーヴァント消失 [令呪]残り2画 [装備] [道具] [所持金]バイトをしているので割とある [思考・状況] 基本行動方針:??? 0:どうにか無実を証明したい。 1:セイバー(フランドール)が心配。 2:兄さんたちは……… [備考] 聖杯戦争を把握しておりますが、令呪やNPCについての詳細は知りません。 通達も大雑把ですが把握しております。(先導アイチやアヴェンジャーのことは知りません) どことなくNPCには違和感を持っています。 噂話程度に刺青男(アベル)のことは把握しておりますが、サーヴァントとは疑っておりません。 フード男(オウル)と誘拐された少女(沙子)を把握しました。 カナエとランサー(ヴラド)の主従を把握しました。 キャスター(ヨマ)のステータスを把握しました。 アルバイト先の『スタバァコーヒー』が襲撃され、営業停止となった為、実質職を失いました。 カラ松の事件を把握しました。 テロリストの容疑者及びバーサーカー(アベル)の共犯者として報道されております。 自宅はアヴェンジャーによる火災で全焼したと思われます。 セイバー(フランドール)が死亡したのを把握しておりません。 千代田区内の警察署で事情聴取を受けます。後に聖杯戦争の件を自白しますが、警察には戯言として聞き流されます。 【アサシン(宮本明)@彼岸島】 [状態]霊体化、肉体ダメージ(中)、魔力消費(小) [装備]無銘の刀 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を獲る。 0:トド松の件は、まだカラ松には伝えない。 1:トド松と接触する。 2:燕尾服のアサシン(曲識)への疑心。 3:神隠しの少女をどうするべきか…… 4:人喰い(梟)に対アサシン(曲識)の為、同盟を持ちかける? [備考] バーサーカー(アベル)の存在は把握、危険視しております。 神隠しの物語に感染しました。 二宮飛鳥&アサシンと同盟を結びました。 コートをマスター(松野カラ松)に貸しました。 ランサー(ヴラド)の存在を把握しました。 神隠しの少女(あやめ)が攻撃的ではないと判断しております。 松野家がアヴェンジャーによる火災で全焼した把握しました。 ○ アーチャー・ひろしの説明は非常に苦労するものだった。 平坂黄泉が盲目である為、聖杯戦争という状況を把握しきっていない事。マスターやサーヴァント。 ステータスすら視認できぬ状態だから、仕方ないとは言え……聖杯戦争の知識を与えられぬ。 という、この聖杯戦争においてのルールでは非常に厄介である。 一通り説明を終え、平坂のサーヴァント……と思しき幼女だったが、ここには居なかった。 が。 空気を読んだのだろうか。一度だけ、霊体化を解いてひろしの前に現れる幼女。 軽く会釈し終えた後。 幼女は、直ぐ様に霊体化した事から。魔力や体力の回復に専念していると察せられた。 「それで……あの子(幼女)は何か願いは喋っていねえんだな?」 「私には何も。彼女は十分満足しているように感じられるよ」 確かに。 ひろしは息子や娘であった『しんのすけ』や『ひまわり』を彷彿させる幼いサーヴァントに 敵意を感じなかったし、願いに固執した様子も感じられない。 そもそも、一体どうしてサーヴァントとして召喚されたのかすら、理解が困難を極めるほどだ。 しかしながら。 ひろしも平坂も、幼女の真の恐ろしさを体験してない故の油断なのだ。 幼女の能力を把握すれば、考えは一新する。 「なら、俺はアダムの……俺のマスターの願いを叶えたいんだ。聖杯を刺青男たちの手に渡さない為にも」 「勿論! アーチャーも私と同じく正義を志す『同士』だ。協力しようではないか!!」 「ははは。正義のヒーローって奴か」 満更でもない様子で、平坂の熱意に答えるひろし。 どういう形であれ、味方が増えたのは心強い。価値観に歪みがあれども、平坂の根っこは『善人』なのに変わりない。 ならば。 平坂は生き生きとアーチャーに尋ねる。 「早速、悪を倒しに……あぁ、そういう訳にもいかない。アーチャー、まずは『悪』からマスターを救わなくては」 「なんだ? 他の主従に心辺りがあるのか!」 「一人は『悪質な噂』を意図的に広めるマスター……もう一人は、あそこにいるマスターだ」 平坂が指差す警察署に、ひろしも心当たりを覚えた。 松野トド松。 刺青男・テロリストの一味として報道された人物……警察庁の爆破事件に関与しているらしい。 無論、ひろしはその噂を頼りにここ(千代田区)へ足を運んだ一人である。 平坂の証言によれば、トド松は無実の罪を着せられようと尋問に追い込まれている最中のようだ。 警察は聖杯戦争とは無関係であろう。 トド松を社会的に抹殺したところで、それこそ聖杯戦争では無意味な事象に過ぎず。 無意味の塊だ。 だが、警察は自らの利益の為。不祥事を始末する為だけに、トド松を犯人に仕立てあげようとする。 許し難い話に違いない。ひろしは一つ、平坂に聞いた。 「トド松のサーヴァントはどうなったんだ?」 「恐らく、セイバーと呼ぶ少女が彼のサーヴァントだ。私も形としては出会ったが……彼女を倒そうとし 気絶をしてしまってね。セイバーに敗北した私は悪であった……」 「気にすんなよ。正義の味方だって負ける事はあるだろ? だったら、何度でも立ち上がるってのが定石じゃねえか」 「あ、アーチャー……!」 感動する平坂は、改めて話を続ける。 「……詳しい経緯が分からないのだよ。あの様子通りならば、彼はセイバーを見失ってしまったようだ」 「見失った、か……念話で連絡も取れないなら、消滅した可能性もありえるな………」 もし、トド松がサーヴァントを失ったマスターであれば、再契約出来る相手では? まだ断定するには情報が少ない。 何より、警察の聴取は終わる気配もない。 「まずは面と向かい合って話し合いてえところだ……」 「アーチャー! 彼は悪にさせられようとしている! 正義として見過ごす訳にはいかない!!」 「落ち着けって。そのトド松てのが聖杯戦争をどうするか、まだ分からねえだろ」 「それは……確かに」 トド松が刺青男同じく悪意のあるマスターでないとは断言できない。 ひろしとしては、トド松がサーヴァントを失って居れば再契約したいのだが。 彼の本性次第では契約をしないつもりだ。 どこか歪な彼らの根本は変化しない。正義の為、正しい願いを、悪から守り抜く為に戦う人間なのだ。 【三日目/夜間/千代田区】 【平坂黄泉@未来日記】 [状態]肉体疲労(小)、魔力消費(中) [令呪]残り3画 [装備] [道具] [所持金]貧困 [思考・状況] 基本行動方針:正義を為す 1:トド松を救出したいが、果たして彼は悪なのか? 2:『東京』で暴れまわる殺人鬼(アベル)を倒す。 3:先ほどの人物(ホット・パンツ)から事情を聞きたいが…… 4:カナエを倒す。 [備考] 聖杯戦争を把握しました。 強力な催眠術を使う者がいると把握しました。それがライダー(幼女)とは思っておりません。 バーサーカー(アベル)によって拡散されたアサシン(カイン)の情報を得ました。 カナエの独り言から断片的な情報を入手しました。 神隠しの物語に感染しました。 カナエを悪と断定しました。また聴覚に優れた経験からかカナエが女性であると把握しております。 セイバー(フランドール)を悪と断定しております。 トド松の聴取内容を聞き取れています。 アーチャー(ひろし)の存在を把握しました。 【ライダー(SCP-053)@SCP Foundation】 [状態]霊体化、魔力消費(中) [装備] [道具]絵[アサシン(アイザック)とメアリーを描いたもの] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:遊ぶ 1:マスター(平坂)と行動する。 2:魔力と傷が回復するまでは実体化しない。 [備考] 神隠しの物語に感染しました。 アサシン(アイザック)とメアリーの主従を把握しております。 ランサー(アクア)とホット・パンツの主従を把握しております。 キャスター(ヨマ)の存在を把握しました。 セイバー(ナイブズ)とあやめの存在を把握しました。 トド松とセイバー(フランドール)を把握しております。 アーチャー(ひろし)の存在を把握しました。 【アーチャー(ロボひろし)@クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん】 [状態]魔力消費(中)、ダメージ(中) 、マスター消失 令呪【見つけ次第、ルーシー・スティールを殺害しろ】 [装備] [道具] [所持金] [思考、状況] 基本行動方針 聖杯でアダムを願いを叶える 0:トド松と接触し、彼の方針次第では救出したい。 1:アダム…… 2:ルーシーを家族のところに帰してやりたいが…… 3:バーサーカー(アベル)やセイバー(ナイブズ)に聖杯は渡さない。 4:サーヴァントを失ったマスターの捜索。 [備考] セイバーのステータスを把握しました。 ダメージは燃料補給した後。魔力で回復できます。 SCP-076-1についての知識を得ました。 ルーシーがバーサーカー(アベル)のマスターであると把握しました。またルーシーの携帯電話番号を知りました。 財団について最低限ですが知識を得ました。 勇路がマスターであると把握しました。 ブライト主従を確認しました。また危険な主従として認識しております。 平坂黄泉とライダー(幼女)の主従を把握しました。 ● 東京都葛飾区にある少女の部屋。 薄暗い部屋の中。少女のサーヴァントである燕尾服を着こなすアサシン・零崎曲識が、ノートパソコンで情報を探る。 曲識のマスター、二宮飛鳥。 彼女が口にした通り刺青男は『アベル』の名前で、何故か称されている。 人喰いの名前や包帯男の名前も浮上しているかと思えば、そのような事は無い。 アベル…… 仮にアレが聖書に登場する彼の『アベル』ならば、その能力や宝具は何なんだろうか? アベルではなく『カイン』の方がその予想が可能だが。 曲識は唸る。 少なくとも近接特化のサーヴァントだ。精神汚染のスキルがあるか不明だが……バーサーカーならば意思疎通は困難か? いや。 ひょっとすれば神原駿河や他の仲間たちが『アベル』の名前を聞き出したとすれば、会話は可能な筈。 何より、三騎相手だと能力や宝具次第では曲識も立ち回りにくい。 正直……コートのアサシン(明)を呼び出すのが手だ。 しかしながら、曲識もとい飛鳥はアベルと戦おうとしているのではない。 彼女はとにかくアベルと会うのを目的とし。 コートのアサシン(明)と合流する必要はないとハッキリ断言していた。 ―――だからといって、同盟を組む。訳でもないらしい。 曲識が目を通した情報は『少女』だ。 『桐敷沙子』と『メアリー』。皮肉にも少女趣味に相応しい生贄が差し出されているのに、曲識は一息つく。 難しい話であろう。 尤もそれは、神隠しの少女を殺害を達成させるよりかは楽かもしれないが。 彼女たちのサーヴァントの能力が不明だ。 明らかに、人喰いのバーサーカーと思しき存在は、精神に異常を来している部類であろう。 精神干渉が効かない相手であれば、即座に食い殺されそうだ。 狙うなら『メアリー』の方か……… すると。 曲識のマスター・飛鳥がパチリと目を覚ます。 ノートパソコンの明かりで起きてしまったのだろうか、属に言う興奮状態で眠れなかったのか。 否。 時刻を確認してみれば、深夜0時を回りそうな時刻だ。 曲識も時間を忘れていたようだ。それほどまでに『東京』は静寂に満ち溢れている。 あるいは、刺青男は誰かに倒されてしまったかも? 曲識は、起床した飛鳥に対し話しかける。 「マスター。悪くない時間だ。丁度、僕も起こそうとしたところだ」 「……あぁ………今のところ様子はどうだい?」 「僕なりに調べているが『アベル』に動きは見られないようだ。しかし――悪くない。 無暗に動かれる前に、僕たちが彼を追跡する猶予が与えられたんだ」 仮眠を取ったとはいえ、飛鳥にも眠気がある。 ボーっとした様子で窓の方を眺め、突如立ち上がった。 幻想的な光景を確かめる為、飛鳥は窓を開ければ、真冬のような冷気が室内に侵入する。 空気と共に。空から降り注ぐ白い粉も飛鳥の頬や髪へ幾つかこびりついた。 家族には聞こえぬよう、小さな――それでいて驚愕に満ちた声を漏らす。 「アサシン……! ご覧。雪だ、雪が降っている!」 「雪? それは奇妙だ……今の季節は春。入学シーズン真っ盛りじゃないか。季節外れの雪。あるいは」 「サーヴァントの仕業、かな? 何にせよ胸が高鳴る。聖杯戦争なんだ、こうでなくてはね」 曲識も、どこか子供っぽく現実離れした四月の雪に歓喜する飛鳥の傍ら、外の景色を眺めた。 シャレにならない勢いで雪は降り続く。 このペースだったら、最悪今朝には積っている箇所が見られるだろう。 充電を終えた携帯電話を手に、飛鳥は準備を整える。 二宮飛鳥の聖杯戦争なるステージが、開演した。 ◆ 勇敢なる蛮人である君へ。 ボクのようなちっぽけな少女の相手なんてしたくはないのだろうね。 だけど、ボクは知りたい。皆が知りたがっている。 君が決して無為に生きていないのならば、教えて欲しい。答えて欲しい。 そして、ボクはそれを伝えたい。 意味が無くたっていい。 意味を求める必要は無い。 君の本心を知ったところで、誰が何かしようとも。君は変わらないから。 ボクも何も変わらない。ボクが求める道は一つだけさ。 だから、伝えて欲しい。 君の言葉を……… 皆に届けよう。 これが――――――ボクらの聖杯戦争なんだ。 ◆ 【三日目/夜間/葛飾区】 【二宮飛鳥@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康 [令呪]残り3画 [装備]私服 [道具]携帯電話 [所持金]十四歳の少女のポケットマネーとして常識範囲内の金額 (サンダルを購入した分、減っている) [思考・状況] 基本行動方針:生きて帰りたい。そして、聖杯戦争を伝える。 1:バーサーカー(アベル)の捜索。 2:カラ松及び松野家をなるべく支援する。 3:聖杯戦争の生中継をしてみる。 [備考] アサシンが自分の殺人においてルールを課してることは知っていますが、それの内容までは知りません。 葛飾区にある不動中学校に通っています。 『東京』ではアイドルをやっておりません。 神隠しの物語に感染していません。 NPC『一ノ瀬志希』の存在、及び彼女が今後所属する学校を知りました。 松野カラ松&アサシンと同盟を結びました。 ランサー(ブリュンヒルデ)を確認しました。 葛飾区で起きた事件やジークの『変身』を把握しました。 板橋区で発生した火災及びバーサーカー(アベル)に関する情報を入手しました。 バーサーカー(アベル)の真名を把握しましたが、半信半疑です。 【アサシン(零崎曲識)@人間シリーズ】 [状態]健康、殺人衝動(小) [装備]少女趣味(ボルトキープ) [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を獲る。 1:マスターである少女(飛鳥)を殺さないようにする。 2:『神隠しの少女』を笑って死なせてやりたい。 [備考] 神隠しの物語に感染しました。 『神隠し』にサーヴァント、あるいはマスターが関与していると考察しております。 警察に宝具『作曲――零崎曲識(バックグラウンドミュージック)』による肉体操作を行いました。 (それを見ていた一部のNPCは『映画の撮影か何かだった』と思っているようです) 松野カラ松&アサシンと同盟を結びました。 ランサー(ヴラド)の存在を把握しました。 セイバー(フランドール)を殺害した為、殺人衝動がしばらく収まります。 バーサーカー(アベル)の真名を把握しましたが、確証は得ていません。 トド松がマスターであることを把握しましたが、外見で六つ子を区別していない為、間違えるかもしれません。 桐敷沙子とメアリーをマスターとして把握しました。 時系列順 Back Crazy Crazy Crazy Town Next 夜は眠れるかい?(前編) 投下順 Back Crazy Crazy Crazy Town Next until death do them part ←Back Character name Next→ 026 クラレッタのスカートを直せ 松野トド松 040 ショーは続けねばならぬ 027 無物語-ナキモノガタリ- アーチャー(ロボひろし) 026 クラレッタのスカートを直せ 平坂黄泉 ライダー(SCP-053) 二宮飛鳥 033 until death do them part アサシン(零崎曲識) 松野カラ松 040 ショーは続けねばならぬ アサシン(宮本明)
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月を望む聖杯戦争 ◆Ee.E0P6Y2U ……月が綺麗な夜だった。 彼がその坂を登るのは何度目だっただろうか。 僅かに息荒くしながら彼はたった一人で歩き続ける。 その途中風が吹く。道沿いに生い茂る木々がざわざわと生き物のように揺れた。 こんなにも涼しくて気持ちの良い夜だというのに、彼の身体はじっとりと汗ばんでいる。 この山のせいかな。 彼は学生服の襟元を正しながら思った。 その視線の先には延々と続く坂道だ。艶のないアスファルトの道が月に照らされぬっぺりと浮かび上がっている。 ゆるやなに蛇行しているため坂の上に何があるかまでは見えなかった。 こんなにも長い坂道では帰るのも一苦労だ。 この山の上には幽霊が出ると噂の屋敷があるが、幽霊だってこんな山の上には住みたくないに違いない。 と、そこまで考えたとき、あんな坂は山とは認めない、といっていたクラスメイトを彼は思い出した。純朴だが、変な奴だった。 実際、山というのには少し無理があった。それなりに長く、それなりに急な坂であるが、それでも一時間もあれば登り切れてしまう。 だから疲れはするが、別に登れない訳ではない。特に今日は月が綺麗だ。 彼は空を見上げた。都会の雑踏から逃れくっきりとその存在を示す星々の中心、漆黒の夜を背景に真ん丸と光る大きな月がある。 あれはきっと満月だろう。彼は理由もなく決めつけた。 あれがあるから今日は楽だ。実際、深夜にこの坂を上るのに道沿いに備えた電灯では少々心もとない。足下が見えるだけ楽なのだろう。 空を見上げる彼の頬をと不意に風が撫でた。熱がすう、と引いていくのが分かった。 寒いとまではいかなかったが、汗ばんだ体に冷えた風は少し堪えた。 早く帰った方がいい。 冬はまだ遠いとはいえ、こんな夜<じかん>なのだから。 そう思い彼が足を進めようとしたとき、 「……あら」 ――美しく響く銀色の声を聞いた。 そこには一人の少女がいた。 金色に光る瞳は夜の中浮かび上がる。その肌はぞっとするほど白い。 そして、おかしなくらい美しい月に照らされ、その銀色の髪は艶やかにきらめいた。 声は出なかった。 その美しさに見蕩れたか、少女の持つ妖しげな雰囲気に気圧されたか、彼は呆けたように彼女を見ていた。 「こんなところで“マスター”に出会うなんて、少し意外でした」 が、対する少女は素っ気ない。自分との邂逅を、意外と言いつつも何でもないことのように語った。 吹きつける風に真っ黒な服が音を立ててたなびく。そこでようやく彼は少女が法衣服を纏っていることに気付いた。 シスターなのだろうか。そんな、あまりにもぼんやりとした印象を、彼は抱いた。 ひゅうう、と風が吹いた。 少女の髪が舞った。銀色が月光に溶け込むようだった。 吹きつける風に彼は身体を震わせる。 ……今度ははっきりと寒気を覚えた。 早く、早く帰らなくてはならない。 「…………」 だが彼は足は止まっていた。歩くどころか、指先一つ動かせない。 だって、少女が見ているから。 金色の瞳はまっすぐに自分を射ぬいている。その無機質な視線は、あたかも自分の価値<バリュー>を測ろうとしているかのよう。 見竦められた彼は不思議な息苦しさを覚えた。ここにあるだけで、何か罪を覚えているかのような、奇妙な居心地の悪さがそこにはあった。 少女がシスター服を着ているから、なのだろうか。 彼は手に持った学生鞄を手放さないようぐっと手を握りしめた。 教科書やら新聞部の資料やらの、ずっしりとした重みが少しだけ心地よかった。 「いえ。どうやら貴方は“まだ”のようですね」 ……しばらくして、少女は興味を失ったように彼から視線を外した。 そしてふぅ、と息を吐く。そこには僅かに失望の響きがあった。 「“マスター”でないのなら、私に会ったところで何も意味がありません。 少し早かったですね、私に会うのが」 少女はそう言ったきり、彼の方を見なかった。 その言葉の意味は分からない。 自分が何か失敗したのだろうか。 ……そう思いはしたが、それ以上に視線から逃れられた安堵が大きかった。 彼はほっと胸をなでおろす。降りかかっていた圧迫感から逃れられたようだった。 彼は迷いつつも、再び歩き始めた。 何かを探すように坂を見つめる少女を無視して、彼は帰ろうとする。 もうこれ以上、彼女の前にはいたくなかった。 「ああ、それと一応」 すれ違いざま、少女がぽつりと漏らした。 「名乗っておきます。今の貴方には無用の情報でしょうが、近いうちに必要になると思われますので」 彼はもう少女を見ていない。恐らく少女も彼を見ていないだろう。 淡々と仕事をこなす、事務的な素っ気なさで彼女は言った。 “――――――カレン” 機械を思わせる冷淡な口調でありながら、しかしその名は、人を思いやる上質な音楽のように胸に響いた。 「カレン・オルテンシア。私の名前です」 そう彼女は名乗り、そして去って行った。 夜道はくれぐれもお気をつけを、と最後に付け加えて。 そうして彼は歩き続ける。 凍てつくよう月の光を受け、彼は一人歩いていた。 結局彼は、少女に対し一言も喋ることができなかった。 ◇ そうして坂を上り切ると、そこには大きな門があった。 例の幽霊屋敷のものだろう。その門は、来訪者を拒むようにそびえ立っている。 錠前はついていないようだった。入ることだけなら、誰でもできるだろう。 本当に人が住んでいるのだろうか。 門の向こうに続く薄暗い林道を眺めながら、彼は少し疑問に思った。 幽霊だって住みたくないだろう、と先程は思ったが、 それこそ幽霊でもなければこんなところ、住めないのではないだろうか。 彼は何となしに門に触れた。ぎぃと錆びついた鉄の音がする。 硬く、冷たく、来る者を拒絶するような門。しかしこの門はいま開いている。 迷い込む者を口を開けて待っているのだろう。人をおかしな世界にぱっくりと呑み込むことを、この門は待っている。 この先にいけば、きっと―― 風が吹き続けていた。 夜の林はいまや歌っている。あちらでも、こちらでも、揺れ動く木々が奇妙な音を立てていた。 彼は森全体がバケモノになった気がした。 バケモノはこうささやいている。 カエレ カエレ カエレ と。 「帰ら、なくちゃ」 ようやく彼は口を開いた。 その声は変に上ずっていた。自分の声だと言うのに、初めて聞いたようなおかしな乖離がそこにはあった。 それでも、自分がするべきことを確かめ、彼は門から離れ自分の道を行こうとする。 意を決して一歩を踏み出そうとした。 しかし、彼は幽霊を見た。 「え」 見て、しまった。 幽霊は森に現れた。 静まり返った夜の中、白い顔がぬうっと浮かび上がってきたのだ。 そのヒトガタは人と呼ぶには小柄過ぎた。膝までの丈しかないような小人が、闇に溶け込むような黒いローブを羽織っている。 ――真っ白な髑髏が夜の中浮かび上がった。 声は出なかった。悲鳴すら上げられない。 こんなにも近くにいるのに、今の今まで気配すら感じることができなかった。 その事実に彼はぞっ、と総毛立つ。 一秒もなかったと思う。 彼は一目散に駆け出していた。 学校<にちじょう>のものが詰まった鞄を放り投げ、去ろうとしていた異界への門を通り抜けた。 そして、とにかく走る。 走る。走る。走る。汗が吹き出て、視界が歪み、足が悲鳴を上げようと彼は走り続けた。 は、は、は、と彼は必死に息をする。 苦しかった。辛かった。しかし止まる訳にはいかなった。 止まればアレがする。アレは駄目だ。追いつかれれば、自分はただ死ぬしかない。 何故だか知らないが彼はそう確信していた。乱れぼやけ曖昧な意識の中にあって、その事実だけははっきりとしていた。 ――だってあれはサ雎ァ縺トじゃないか。サ雎ァ縺トに人は勝てない。それが聖h縺戦¥譁というものだろう、 彼は叫びたかった。助けて、と。 だが声は出なかった。言葉が見つからない。あるべきはずの言葉を、自分は知らないのだ。 ――メモリーを、預けた記憶を返してもらわなくては。 でも、帰らないと。カエラナイと。 その思いが意識を探る彼の手を邪魔する。 もう指先はかすっている。あとほんの少し、少しだけ手を伸ばせば、届くと言うのに……! 逃げ続けながら彼は必死に手を伸ばす。 あった筈の記憶へ、持っていた筈の想いへ、秘めていた筈の悲願へ、魔術師<ウィザード>としての力へ、 ただ生き残る為に。 だが、届きはしなかった。 だって、それよりも速く暗殺者<アサシン>が追いついてきたのだから。 そもそも勝負にすらなっていなかっただろう。 小柄な体を生かした俊敏な動きを長所とするサ雎ァ縺トに、ただの人間が逃げようなどというのは。 あれ、と彼は思った。身体が急に動かなくなっていた。 変な音がした。すると何故だか力が抜けて、気付けば鈍い音を立て地面に突っ伏していた。 ぎこちなく彼は首を動かした。すると大きな大きなお屋敷が見えた。ああこれが幽霊屋敷か、と納得する。古い造りをしたそれは、いかにもな外観をしていた。 事実幽霊が立っている。突っ伏した彼を見下ろし、手に持った刃をてらてらと赤く光らせながら。 「他愛ない。目覚める前のマスターなどこんなものか」 不意に、幽霊はそんなようなことを言った気がした。 笑っているような、泣いているような、奇妙な表情をした面が彼を無慈悲に見下ろしていた。 「本来はルールに抵触しているそうだが、これも主人の命令だ」 幽霊の言葉は遠い。目の前にいるはずなのに、ずっと向こうの方から聞こえているような心地がした。 どういうことだろう、と疑問に思ったが、すぐに答えが出た。 ああ、遠のいているのは自分の意識の方か。 幽霊が近づいてくる。その手には刃がある。 確実にトドメを刺すつもりなのだろう。万が一生き延びることがないように。 そうして死が彼に触れようとしたとき、 「そこまでです、アサシン」 凛とした声が響いた。 「一般NPCの大量殺戮は禁じられています」 遠のく意識を何とかつなぎ留める。少しでも気を抜けば持っていかれそうだ。 それでも彼は何とか顔を上げた。ここでオイテイカレる訳にはいかない。 そして、一人の聖女を見た。 「貴方は既に再三の警告を受けているので分かっているでしょう。 これはメモリー復帰前のマスターにも適用される条項です」 凛然と語るその姿は気品に満ち溢れており、その青い双眸には一切の迷いがない。 銀の飾りに収められた金色の髪、輝く甲冑とたなびく藍色。 何よりその手にあるものが異様だった。 それは旗だった。大きな大きな、背丈ほどもある旗を聖女は堂々と握りしめている。 「アサシン、ハサン・サッバーハ。今すぐに攻撃を止めなさい」 その警告には差し迫ったものがあった。 最後通告。聖女が決して悪を告発する際の、有無を言わせぬ戒めがあった。 それを前にして、幽霊は僅かにたじろいだようだ。トドメを指さんとしていた刃はぴたりと止まり、幽霊は聖女を見た。 対峙する二騎のサ雎ァ縺ト。 聖女と幽霊。それはまるで生と死を象徴しているかのようであった。 一対の狭間で、彼は必死に意識を繋ぐ。 ――ああ思い出してきた。 ――ここで僕がやるべきこと、やりたかったことは。 つう、と右腕に痛みが走った。 それまでのぞっとするほど冷たい刃の痛みとは違う、熱く煮えたぎる力を感じさせる痛み……! 強引に痛みを振り払い、彼は右手を掲げた。 そこには三画の光が灯っていた。見覚えのない奇妙な紋章。しかしそれが力であり印であり、何よりこの場にいる証明であることを彼はもう思い出していた。 「令呪……! いままさに“マスター”としての目覚めが始まっているのですか」 聖女が僅かに驚きを滲ませ、動きを止める。 その瞬間を見計らってのことだろう、幽霊の黒衣が静かに待った。 刃がきらめく。白の髑髏が目覚めつつある彼へ猛然と迫る。 「令呪を以て命じます――止まりなさい、アサシン」 が、それを聖女が制した。彼女がその腕に灯した光をかかげると途端に幽霊は動きを止め、ぬぅ、と唸り声をあげた。 「何故止める、ルーラー! その男はもはや一般NPCなどではない。この聖杯戦争の参加者たるマスターだぞ!」 「その判断は“裁定者”のサーヴァントである私が下します。 完全に記憶が覚醒しない間、彼はNPCであり保護対象になります。そして――」 不平を叫ぶ幽霊に対し、聖女はそこで一度言葉を切る。 一瞬の間が空く。その間に彼女は持ち合わせた溢れんばかりの容赦をすっぽりと置いてきたかのように、 「――アサシン。再三に渡る警告の無視した貴方は処罰の対象になります。 ステータス低下、令呪の剥奪等のペナルティを課します。貴方のマスターに伝えてください」 そう突き離すように告げた。 その言葉に幽霊は一瞬動きを止める。だが、一瞬だった。幽霊は何かに突き動かされるように再び地を蹴った。 その標的は地に伏せる彼ではなく、聖女。 「【空想電――」 聖女の下へと飛び込んだ幽霊はその左腕を解放せんとする。 空間がぐにゃりと歪み、そこから秘められた神秘が溢れ出る。そして聖女の命を奪わんと異形の腕が迫る。 「愚かな」 しかし、幽霊の神秘が届く前に、聖女は告げていた。 「令呪を以て命じます――アサシン、自害しなさい」 と。 聖女の掲げる光が迸ったとき、事は全て終わっていた。 幽霊は己の胸を自ら突き、末期の言葉一つも漏らすことなく静かに倒れた。 そうして再び森は静かになった。幽霊の身体は光に包まれ、その存在感を薄めていき、最後には跡形もなく消え去っていた。 騒いでいた木々も、耳障りなほどうるさかった風も、幽霊のように何時の間にか過ぎ去っていた。 月はたださんさんと輝いていた。そびえ立つ古屋敷の前で倒れ伏したまま、彼は手に届きそうなほど大きな月浮かぶ夜空を眺めた。 ――ああ、月が綺麗な夜だ。 そう思った時、またあの声が聞こえた。 「終わりましたか、ルーラー」 月と同じ色をした、凍てつくほど美しい声が。 揺れる銀の髪、人形のように美しい肌、映すものの罪を表すかのような澄んだ瞳。 カレン・オルテンシア。 闇の中より歩いてきたのは、会ったばかりのあの少女だった。 今度は法衣服ではなく奇妙なほど扇情的な漆黒の衣装を身に纏っている。 また、一枚の長い布が彼女を守るようにその身に絡んでいる。 紅い紅い、布だった。 「はい。結果としてアサシンを脱落させることになりましたが、まずかったですか?」 「いえ問題ありません。あれほどの警告を無視した以上、当然の処置です。 最後の攻撃はマスターの令呪でしょうね。あのアサシンも愚かなマスターを持ってしまったものです。 もっとも、そのマスターも今頃解体が始まっているでしょうが」 淡々と語るカレンらの声を、彼は現実味の薄い、どこか遠くのことのように聞いていた。 が、しかしもはや彼はそれを無視することができない。先ほどまでは全く意味の分からなかった言葉が、今や自分の身に迫った情報として頭に入ってくるからだった。 「……それで、彼ですが」 聖女――ルーラーと呼ばれていた少女が倒れ伏す彼を一瞥した。 その視線には傷つく者に手を差し伸べる慈しみが感じられたが、同時に聖女として確かな規範を重んじているような色があった。 「“マスター”として目覚めているようですね。令呪が刻まれ、記憶も取戻しつつある」 カレンが平坦な口調で言った。ルーラーのそれと違い、非常に事務的な響きだった。 「で、あなたはもう今の状況が分かるでしょう?」 頭上から問い掛けが降ってくる。 カレンのの声色は先ほどの、何も知らなかった頃に会ったときと何ら変ってはいない。 「……聖hィ戦争」 彼は声を絞り出した。その単語をひねり出すだけで、じん、と頭が痛んだ。 消された筈の、空白に上書きされた筈の言葉を思い出す。そんな矛盾が痛みを読んでいるのかもしれない。 「まだ記憶の封印が完全には解けていないようですね」 その様子を見てカレンがふぅと息を吐いた。 「まぁこうして覚醒の瞬間に居合わせたのも縁です。少し手伝ってあげましょう。 貴方が持っている筈の記憶をたどる形で状況を説明していけば、おのずと記憶の回復もできるでしょうし。 では、説明いたしましょう。この聖杯戦争――月を望む聖杯戦争について」 セイハイ、センソウ。 聖杯戦争。 その単語がようやく意識に浮かび上がってきた。 そう、それがずっと思い出せなかった。 届かなかった。 「聖杯戦争とは万物の願いをかなえる“聖杯”を奪い合う争い。 魔術師たちが己が望みを物にすべく七騎の“サーヴァント”を統べ競いあう。 あり大抵に言ってしまえば、万能の願望機を求め殺し合う。 そんなシステムのことです」 聖杯、サーヴァント、願望機……その単語が聞こえる度、脳みそをかきまぜられているような痛みが走る。 同時に、ああ、あの幽霊はサーヴァントだったんだな、と納得もしていた。 「サーヴァントとは聖杯がこれまでに観測し記録してきた膨大なデータから再現される、過去の英霊たち。 人類が生み出してきた情報の結晶。それを七つのクラスに当てはめる形で再現する。 セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー……彼らサーヴァントを参加者たるマスターは令呪によって従えるのです。 このシステムは当初、それぞれ一騎づつ選出された、七騎のサーヴァントで行われていました」 ですがこの“月を望む聖杯戦争”は違います。カレンはそう淡々と告げた。 「この“月を望む聖杯戦争”で呼ばれるサーヴァントはその何倍にも多い。 二十……いえ三十に近いサーヴァントが呼ばれることでしょう。 それはひとえにあの月に依るもの。 地球をその誕生から観察し続け、地球上のあらゆる生物、あらゆる生態、あらゆる歴史、そして魂さえも記録してきた――月の聖杯。 ある者はそれをこう呼びました。 量子コンピュータが魔術的概念により実現されている自動書記装置。 “ムーンセル・オートマトン”と」 そして、とカレンは月を背に言った。 「ここは月を手にしようとする者が集う箱庭。月に停泊せし放浪者。存在しない筈の二番目の月。その観測のされ方は様々です。 月は観測者次第でいかようにも姿を変え得る。貴方方がここをムーンセルの付随物としてみたように、ある者はそれを方舟<アーク・セル>として見た。 しかし何にせよ意味は同じです。それは……月に到る階段<スパイラル・ラダー>」 月の聖杯、ムーンセル、方舟……理解が追いつかない。何しろ思い出しながら、だ。 それでも、彼は一つ分かっていた。 そうか、自分はいまあの月を目指しているのか。妖しくも美しいあの月に、手を伸ばしている。 「ここはムーンセルが観測した過去。月より降りそそぐ情報を受け船が造り出したユメ。 例えばこの屋敷。ここはかつて一人の魔法と使いと、一人の魔女、そして一人の孤独な青年が住んでいました。地名自体は白犬塚というそうです。 少なくともそんな可能性を持った並行世界があり、月は観測した。それを再現した場所。 ここでは月が識る、土地や歴史、木々、水、空、そして人間が再現されている。 どこでもあって、どこでもない、過去であり、未来であり、現在である」 そう、それが今回の聖杯戦争の舞台。 彼はようやく思いだしてきた。自分が何者であったかを。 「貴方がたは様々な方法でこの方舟にアクセスしてきました。 量子ハッカー、魔術師<ウィザード>として月を見つけた者、古来より伝わる魔術師<メイガス>として月に到った者、全く異なる並行世界の力より月を探し当てた者、はたまた月のきまぐれか何の能力もないのに呼びこまれた者……その手段は様々です。 鍵は様々なカタチで観測されました。それはある時はデータ上に浮かび上がるコードとして、ある時は聖遺物の欠片として現れ“ゴフェルの木片”として。 ただそれを手にし。参加者としてマスターとなった以上、何かしら願いを持っているはずです。 月を望み、月に到る。万能の願望機を願った貴方がたには先ほど告げたように殺し合ってもらいます。 ――最後の一人となるまで」 殺し合う。その言葉もまた、カレンは淡々と言った。 「そして、私たちはその監督役。聖杯戦争が滞りなく行われるかを裁定する者。 私とルーラーは参加者ではなく、運営に携わるものということです」 よろしくお願いします。 言ってカレンはぺこりと頭を下げた。 隣りに佇むルーラーも軽く礼をした。彼も挨拶をしようとしたが、それよりも早くカレンが口を開いていた。 「監督役として、助けを請われれば出来る範囲で応えましょう。円滑かつ平等に活動が行える取り計らいましょう。 ですが場合によっては警告と、そして制裁を下します。先ほどのアサシンのように」 今しがたルーラーにより脱落させられた幽霊――アサシンの姿が脳裏を過る。 ルールを破れば、ああなる。彼女らにはそうする力がある。 「もっとも、余程のことがない限り私たちは手を出しませんが。現状、一般NPCへの度を過ぎた無差別殺戮は禁じられていますが、それ以外で大きく動くことはないでしょう。 NPCの殺人も、よほどひどくない限りは何も言いません。サーヴァントの魔力源として魂喰いを行うこと自体は何らありません。 その他追加ルールがあれば随時お伝えします。ただしルーラーにはその権現、各サーヴァントへ二回まで使用可能な令呪があることを覚えていてください」 令呪。 その単語を聞いた彼は右手の甲に刻まれた三画の紋様を眺めた。 先ほどはぼんやりとしていた光も、今やくっきりと確かな輪郭を持ってその手に定着していた。 「令呪とは本来マスターとしての証、たった三回だけのサーヴァントへの絶対命令権。 それがあるからこそ、貴方たちはマスターでいられる。 逆にいえば、失われた時点でマスターとしての資格を失います。令呪なくともサーヴァントを従えることができるのなら別ですが、そうでないのならば強制的にSE.RA.PHより消去<デリート>されます。 それを手に入れるまでが“予選”でした」 “予選” 思わず彼は聞き返していた。 「“予選”です。全てのマスターはSE.RA.PHにアクセスした際、そのメモリーデータを封印された状態でアバターが生成されます。 聖杯戦争のことは勿論、魔術のことも、自分が秘めた願いのことも、全て忘れた状態でこの街で過ごしてもらいます。 その状態に違和感を抱き、記憶の封印を解き、自らマスターであることを思いだす。そのとき初めて令呪が浮かび上がるのです」 そうか、だから忘れていたのか。 自分自身のことを、こうまでも。 彼は不思議と腑に落ちた心地になった。 「それが“予選”。中には自分がマスターであったことを思い出すことすらできず、NPCとして埋もれていく者もいます。 そんな中、貴方は思い出しました。マスターとして、月に認められたのです」 おめでとうございます。カレンは平坦な口調で祝福の言葉を漏らした。 彼はそれを呆然と受け止める。 まずカレンの顔を見つめ、次にくっきりと浮かぶ令呪を見つめ、最後に蘇りつつある自身の願いを見つめた。 ――ああそうか、僕は……月を望んでいたんだな。 「記憶封印の解除と同時に、月よりサーヴァントが宛がわれます。 日常の違和感に気付き、心に刻んだ願いを思い出し、サーヴァントと契約する。 それが参加者に与えられた最初の試練」 胸が昂揚するのが分かった。自分はいま、喜んでいる。 最初の試練を、辛くも自分は突破したのだ。 「サーヴァントを手に入れれば、あとは残りのマスターを全て倒すだけです。 それだけで、貴方は月に到れる」 そんなこと簡単だろう、と彼は奇妙な自信に支配された。 先ほどの状況を突破できたのだから、あとはもう大丈夫、と。 根拠もなく思っていた。 カレンは顔色一つ変えず口を開く。 「ですが」 そこで、それまでカレンの隣で無言を保っていたルーラーが、どういう訳か顔を背けた。 「貴方にもうその資格はありません」 ――え? 「だって、貴方もう死んでいるもの」 ……その口調は相変らず平坦で、事務的で、淡々としていて、それでいで優しさやいたわりといったものを感じさせた。 彼はそこでようやく己の胸を窺った。 アサシンに一突きされた胸からは血がだくだくと流れ、心臓部はぽっかりと穴が開いていた。 身体<アバター>は既に解体が始まっている。情報が剥がれ落ち傷口は泥のように黒ずんでいた。 「あの時点で一般NPCだった貴方は保護対象でありましたが、だからといってその際に受けたダメージの回復まではできません。 貴方が助かる見込みはもうないでしょうね。目覚めるのが、あと少しだけ遅かったですね。 帰ろうなんて、思っているから。帰る場所もないのに」 ああ、そうか。 そういえば、さっき 自分はどこに帰ろうとしていたのだろうか? そもそも、僕の名前は。 「貴方の脱落は傷を見た瞬間分かっていました。 それでもわざわざ丁寧に説明したのは、半分マスターとして覚醒していた貴方のデータが、変な形で残らないようにするため。 死んだことにすら気づかず、サイバーゴーストになんてなられても監督役として困るもの。 だから、納得して死んでもらいます」 カレンはそう言って目を閉じた。 それはまるで冥福を祈るよう―― せめて名前を教えて欲しい。 僕の名前を、僕が何というカタチをしていたかを。そしてできることなら呼んで欲しい。 でも、無理だろうな。 そう思ったからこそ彼はただ陶然と月を見ていた。 綺麗な綺麗な、月。 空に浮かぶ月は依然変わらず手が届きそうで―― 「では、聖杯戦争を始めます」 ――絶対に届きはしない。 ◇ そうして、月海原学園の一学生を演じていた筈の彼は、消滅した。 彼がいかな願いを持った、どんな魔術師であったのか、カレンは知らない。 ただ、もう彼にまつわる全ての情報が解体されてしまったことは確かだった。 それを見届けたカレンは一言呟いた。 「では、聖杯戦争を始めます」 と。 「始まるん……でしょうか」 その呟きをルーラーはどこか自信なさげに反芻した。 「まだ、あとから目覚める人も居るんじゃないですか。 さっきのあの人のように」 「かもしれませんね。でも、恐らくないでしょうね。 記憶の封印を解けるとしたら、大体今ぐらいがリミットでしょう」 封印された記憶と、長く付き合えば付き合うほど元の記憶は埋もれていく。 だから、この辺りが限界だとカレンは当たりをつける。 恐らく各マスターが目覚めた時間にそれほど差はない。あって数時間程度の差だろう。 だから実質聖杯戦争が動き出すのは今ぐらいからだ。 「一体、どんなサーヴァントが呼ばれているのでしょうね」 ルーラーがぽつりと漏らした。 これから始まるであろう戦いに、思いを馳せるように。 カレンは視線を上げた。 その視線の先には、この丘から見下ろした街の光がある。 錆びれたマンションがある。昔ながらの商店街がある。できたばかりのレジャープールがある。奇妙な噂の絶えない名家の屋敷がある。人を導く教会がある。 月が用意した此度の聖杯戦争の舞台。 今頃街では多くのマスターがサーヴァントと出会っている頃だろう。 いかなる英霊、あるいは反英霊がこの地に呼ばれたのか。 それはまだ分からなかった。 ――ただひとつ分かることがあるとすれば、 カレンは無言で空を見上げた。 月が、ある。 美しく輝く、月が。 こんなにも近しくあの光を拝めるのは、きっとここだけだろう。 ――みなあの月を望んでいる、ということでしょう。 【アサシン(ハサン・サッバーハ)@Fate/hollow ataraxia 脱落】 【プロローグの青年 @Fate/EXTRA 脱落】 【二次二次聖杯戦争 開幕】 主催 【カレン・オルテンシア@Fate/hollow ataraxia】 【ルーラー(ジャンヌ・ダルク)@Fate/Apocrypha】 BACK NEXT OP.1聖杯戦争序幕 ~ 宙船、来たる ~ 投下順 001 言峰綺礼・セイバー OP.1聖杯戦争序幕 ~ 宙船、来たる ~ 時系列順 001 言峰綺礼・セイバー BACK 登場キャラ NEXT 参戦 ルーラー(ジャンヌ・ダルク) 029 初陣 参戦 カレン・オルテンシア 050 主よ、我らを憐れみ給うな